ハイラル城の大いなる書庫亭

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THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  雪華

2009/05/21 (Thu) 22:27:38

こんにちは、初めての人には始めまして。↑タイトル英語でごめんなさい。分かりにくいですよね(ならやるな
昔は雪華、今は風空!(どうでもいい
この新作は、「遥か彼方未来からの伝言」、「時刻の抱擁黄昏の光」の続編です
つまらない文章だとは思いますが、どうかよろしくお願いします。

言ってしまえば、この作品は前作二つを纏めた、総集編と言うか・・リメイク版です。
あまりにも前作二つが意味の分からないものだったので、リメイクしました。

ちなみに、主人公が世界ごとに違います

世界観は時のオカリナ(&カゼタクのエンディング後)と、トワイライトプリンセスの世界です(ちょっと時オカが入ります)
(意味不明な説明文ですみません・・・・)


では、今回もよろしくお願いします!


                        キャラクター(宵闇世界)

――――混沌よりハイラルを救いし時を渡る勇者
リンク

伝説の中に残る「時の勇者」
アヴィン達の住む世界で語られる勇者は彼の事。

――――光の名前を与えられし輝ける勇者
ライト

伝説の中に残る「古の勇者」
リンク達の世界で語られる勇者は彼女の事。なお、古の勇者は後一人いる。

―――――知恵を護りし聡明なる姫君
ゼルダ姫

ハイラルの王女。
長引く戦乱に心を痛めていたが、病に架かり突然の死を遂げた伝説の人物。
どちらの世界にも登場している。

           不明

―――――全てを知る白銀の賢者
イルティス

銀髪碧眼の謎の少女
17才(外見)
やたらとリンク達を熟知している。
実はゲルドの姉。ハーフエルフ。
ゲルドを殺した人間に強力な呪いである、「千年呪い」をかけた。

―――――光と交わった影の王姫
リディア(リディア・アーシェ)

魔物みたいな体を持つ、謎の人物
時のリンクを手助けしていた。
恐らく影の住人。ミドナが彼女の事を知っているのは、一体………?

――――――暗躍する残酷なる<光>
ライト(ライト・ヴァイゼリア/ヒルダ・フローラ・ユグドラシル)

黒いローブを被った謎の女。
左手にトライフォースの印を持っている。実はゼルダ・アストラシア・ライテルシルト張本人。
ハイリア人。
16歳の割には冷静過ぎ。

―――――各地を歩いて予言を残した偉大な魔女
ゲルド

故人。
人間では扱えないロスト・ミスティックを扱えた。
アストラルから来た生粋の魔女で、膨大な魔力を持っていた為、未来を予知したり、予言等を詠むことができた。
それ故に予言を読むよう強要されたが、頑なにこれを拒み、ある人間の手にかかり、死亡。
その後遺体は、水のスコティアの神殿の傍に埋葬された。
魂は二つに分かれ、一つはゲルドの形見(イルティスが持っている白い杖)に宿り、もう片方の魂は「ヒドゥンラビリンス」とダンジョンの最奥の、「封印の祭壇」に”ある人物”の魂を封じ込めるため、祭壇に安置されている。
このダンジョンは、<魔女の宝>と<闇の器>、<光>を持つものがそろわないと見えない。
ハーフエルフで、イルティスの妹。

―――――残酷なる<闇>の王子。
ヴァルド

左手に銀色の「トライフォース」を持つ、ライトの実弟にしてレインの異母兄。
昔は優しかったが、今では冷酷な性格になっている。
本名は「ヴァルド・アストラシア・ライテルシルト」
13才。

――――愛する人を失った悲劇の炎の<番人>
マドラム

火のザールが眠る神殿の番人。
昔は心優しい彼だったが、想い人であるドミニクを人間に殺されてから、人間に失望。
ドミニクを失ってから10数年後、イルティスとゲルドの前から姿を眩ました。
魔法と剣の達人で、イルティスの旧友。
イルティスとドミニクの幼馴染みで、初めからイルティスとゲルドが魔女だと知っていた。
となると、彼にはある程度、魔女に関しての知識あったと思われる。

―――――全てを愛した心優き女性
ドミニク

花や動物・植物全てに愛を注ぎ、マドラムに好意に抱かれていたが、精霊の力を手に入れようとした人間からマドラムを庇って死亡。
その後、遺体は火のザールの神殿の傍に葬られ、墓の傍にはいつも白いユリが置かれているが、ドミニクが埋葬されてから神殿から女性の泣き声が聞こえてくるというと噂が。
イルティスとマドラムの幼馴染みで、信心深く、毎日の祈りだって欠かさなかったという。
ゲルドがうっかり口を滑らせるまでイルティスが魔女だとは知らなかった。
―――――闇に堕ちた第一帝王

エミリア

本名「エミリア・ウル・ミエリ・セルヴィア・アストラシア・ライテルシルト・ヴァイゼン」
ヴァルクド帝国国王。
ライトの起こした「メルト・テンペスト」により、水没した城と共に命運を共にしたと思われたが、ガノンに精神を乗っ取られ生きていた。

―――――綺麗なバラには棘がある、と言われた第一王妃

ライラ(ライラ・アストラシア・ライテルシルト)

国王の正式な王妃。
ライト、ヴァルドの母親。
10年前までは清楚な性格だったが、昔は大変な酒豪家でもあり、酔った勢いで帝国軍に喧嘩を売り、一個中隊を叩きのめして全員土下座させたことがある。
それを気に入られ、国王と結婚したが、だがそれに嫉妬したリリーにより、毒殺された。

―――――<見せしめ>として殺された哀れな側室

リリー(リリー・ライテルシルト)

レインの母親。国王の側室。
自分の娘を王位に就かせようとし邪魔なライラを毒殺。更にライトとヴァルドをも殺そうとした。
母親を殺され、激昂したライトとヴァルドによって、城の壁から突き落とされ、死亡。

 
             主人公(黄昏世界)  

―――――天命を与えられし勇敢なる青年
リンク

トアル村の牧童。
アヴィン達が住む世界では亡くなったとされて居た。
愛馬はエポナ。緑衣の衣を纏う。
実はライトより身長が1~2センチ高い。
16才。   
 
―――――<光>の真実を知ってしまった者    
レイン(レイン・ライテルシルト)

トアル村に住む、リンクの双子の姉(とされている)
数少ないハイリア人の一人で、魔術・剣術を自由自在に操る。
愛馬はリヴ。蒼衣の衣を纏う。
実は本物のライトから名前を奪ってしまったハイリア人。
16才。

              主人公(幻想世界)

―――――古代の力を身に秘めし少年
アヴィン

聖都アンビッシュに住んでいる。
実は、アンビッシュ国王の息子。
失われた勇者の足跡を辿るべく、ジュリオと旅に出る。
<力のトライフォース>の持ち主。
長剣を扱い、黒魔法が得意。
昔、ジュリオをいじめていた悪ガキをぶちのめした事がある。
15才。

―――――友を支える知恵の存在
ジュリオ

アヴィンの幼馴染み。
男のクセに気が弱く、昔はすぐに泣いた。
おまけに体も弱い。
<知恵のトライフォース>の持ち主。
手先が器用で、短剣の扱いに長けている。白魔法が得意。
仇名は<泣き虫ジュリオ>。
14才。

―――――勇気の力を身に秘めし心優しき少女
ルティス

アヴィンの双子の姉。
アヴィンと違って、長剣ではなく投擲や白・黒・精霊魔法・体術を得意とする。
父親に捨てられた、と思い込み、同じく両親に捨てられた少年・ルカに出会うまでは性格が荒れるに荒れていた。
その後はルカと共に世界を放浪、放浪の末にアヴィンと再会。
<勇気のトライフォース>の持ち主。
15才。

                    <投稿キャラクター>

―――――偽りの記憶に生かされし女性
ヴィーチェ

司書の一人。
敵にも味方にも常に敬語。
ある理由から、<主>の事を父親として慕う。
19才。
<鎌剣様のキャラクターです>

―――――敵か味方か不明な青年
トルシナス

剣の腕は最高なのにどこか抜けている、金髪の青年。
外見とは裏腹にナルシストで、いつも手鏡を持参。
一応貴族出のお坊ちゃんで、世間知らず。
何時もライトやレインを口説こうとしては何時も、ミドナや天然なリンクに妨害されるか、シスコン(?)ヴァルドによって制裁される。
女性を口説くのが下手。なのに流し目が出来る。
16歳
<ニボシ様のキャラクターです>

―――――温和で繊細な少年
ヴェッラ・セリファリタル

手先が器用で裁縫などが得意な少年。
敵方に居るが温和で、なごみ役。
彼も司書の一人。ヴィーチェと共に行動する。
15才。
<勇珠様のキャラクターです>


という感じです。
他にも多数登場しますが、あまり書くとネタバレするので書きません。
ストーリーは今回は書きません

この作品は、他のシリーズのキャラクターなどが混ざっています(注)
名前を変えるキャラと、変えないキャラが居ます。
しつこい様ですが、主人公が二人居ます。

出すキャラクターについては、分かる人が多数いるかも知れません。

黄昏世界は緑で、幻想世界は青で、魔王sideは赤で表示しております。
読みにくいかもしれませんが、宜しくお願いします。


現在キャラ募集中です。
残りは4人、味方、敵は締めきりました。

それでは、次のスレから始めていきます

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ 雪華

2009/07/05 (Sun) 21:52:52

暗い城の中に、煌めく人物が一人。

その人間は、ベットに横たわる国の最高指導者を静かに見下ろしていた。

「お願いです………。貴女だけでも逃げて下さい………」
「…………」
「この世界はもう長く持ちません…………」

煌めく人物は、何も言わず横たわる人物を見ていた。

「………この世界を眠らせる」
「え………?ですが…………それでは………」
「眠らせれば、この世界は生きる。滅ばずに、何万年も。私が戻ってくれば、世界を目覚める。………それで良いか?」
「この世界は生きるけど………貴女は永久に朽ちぬ身体を得てしまう!死ぬ事も許されずに、別世界を彷徨うのですか!?」

煌めく人物は、少し微笑んだ。

「大丈夫。世界が眠れば、全世界の人間も眠るという事。魔物も、植物も、動物も。大樹が、決めてくれた。周りには10近くの国がある。そこの賢者が、力を貸してくれた。眠っていないのは、ハイラルだけ」
「……………!そんなに事は早く…………!」
「安心して、眠っていて。だからーーーー」
「ま、待ってくださ----」
「おやすみ、ゼルダ様」

手をかざし、光が放たれ、光が収まった時にはもう--------世界は眠っていた。
全ての人間、全ての生き物を巻き込み、安らかな息吹をくり返しながら…………世界は眠った。

煌めく人物は、少しだけ目を閉じるとその場から消えた。

国を救わず消えた勇者を恨みながら。






「ふう…………」

ヴァルクド公国、国立図書館。

イスに座りながら、誰も居ない室内で本を閉じる者が一人。

「やっぱり、この人はゼルダ姫を殺したって事だよね」

涼やかにストレートが掛かった短めの茶髪を揺らしながら少年は本を閉じる。

読んでいる本は、「英雄伝説記」

国を救った勇者の物語が綴られている、いわゆる「クロニクル」。
本中毒と呼ばれている程、本に詳しい少年・アヴィンは最近見つけたこの本に熱中していた。

「勇者リンク、白き魔女ライト、焔の勇者セシル、オルドスの賢者ミトス、聖なる王女ゼルダ…………。ミッシェルに教えてもらう事が沢山あるな………」

ここまでアヴィンがこの事に熱中しているかというと、ここに乗っている人物が殆どなぞの死を遂げて居るから。

「白き魔女に、オルドスの賢者以外はみんな変死なんだよな…………」

歴史に詳しい幼馴染みに教えてやろうと、心に決める。

「アヴィン!」
「お、良い所に来た!」

帰ろうと思って居た矢先、思わぬ来訪者が来た。

「ジュリオ!支度は出来て居るのか?」
「ばっちり!もう少しで、短剣授与だよ!アンビッシュに帰ろう!」
「……ああ!」

明日から、巡礼の旅。
期待を胸に抱えながら、家に帰ろうとした。

(この本………読みかけなんだよな………)

戻そうとした本を、少し見つめる。

(いいや、旅の途中で読もう)

少し好奇心が湧いて、本をカバンにしまう

「アヴィン~?何してるの?」
「あ、ごめん!今いく!」

ジュリオがいる場所まで、思いきり走る。

(母さん………!見ててくれよ!)

亡き母へ、そう心の中で告げた

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ 雪華

2009/07/13 (Mon) 18:10:37

森の朝は早い。

それに伴い、村人達も起きて来る。
ただ一人を除いては…………。

「ねー、セシル。いつまで寝てるの」
「…………」
「ね~。聞いてんの?」
「………」
「聞いてるのか、聞こえてねえのか、はっきりしろっ!」

ある一室に、皆が起きてもまだ寝ている少年の部屋がある。
どんなにしつこく起こしても起きないと言う、伝説並みの少年だ。

そして、さっきからセシルを起こそうとして部屋に行った少女がいる。
あまりに起きないので、キレぎみだったが…………。

「き・い・て・ん・の・か・よ!」

ついに切れた。

そのままベットを蹴り飛ばし、少年を転落させる。

「いってぇっ!?」
「ったく、起きるのが遅い!」
「あ~………、アルリィ?居たのか?」
「居たのか?じゃない!起こしにきたんでしょーが!」
「………へ?」
「へ?………間の抜けた返事をするんじゃ無い!今日はファドの所の手伝いでしょ!?」
「……………あ。…………やべっ、怒られる!」
「…………自業自得」

やっと起きたセシルに向かってアルリィは最適な言葉を言い放つ。

「リンクは!?」
「ライトと一緒にとっくに行った」
「これこそやべえ!」
「…………バカ」

少年と少女が口にした名前、リンクとライト。

恐らく村で一番信用されているであろう、双子。
姉ライトは容姿と違い、万能型。
同じくリンクも容姿と違い、前衛攻撃型。

村にやって来た山賊を、見事な連携で叩き出す、村一番の姉弟だ。
どっちが上だかは知らないが、今の所、ライトが姉だと言い張っている。

だが、実際は姉弟でも双子でも無いらしい。
ただ、精霊の泉に置いていかれていたらしく、その頃はまだ赤子だったと言う。
容姿が似ている所から姉弟扱いされているが、本当の所、誰も知らないらしい。

謎の旅人が、二人を抱えてやって来たとしか。
その旅人は3人組だったが、頭からマントを羽織っていた為、誰も顔を知らない。

そして、姉弟扱いされる理由がもう一つ。


彼等の左手には、王家の紋章の痣があるからだった。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁?未来の痕跡? 雪華

2009/07/24 (Fri) 22:36:30

いつもと同じように自分の左手の甲を見つめながら、溜息を付く。

正直言って、こんな痣嫌いだ。
憎くて、消したくても消せないこの紋章が、はっきり言って鬱陶しかった。

この痣の性で、自分の人生が決められているようで嫌だった。

「ライト?」
「………リンク」

最近、この痣に付いて考える事が多くなっていたので、つい物思いに耽る事が多くなってしまった。

「ミトスが死んでるみたいだって言ってたから」
「勝手に殺さないでよ。この痣を消すまで、いつまでも生き延びてやるわよ」
「執念深いね」
「あんたみたいなお人好しと一緒にしないで」
「お人好しって………」
「あんたの事」

いつもの様に、酷い言葉をかけて後は無視する。
別に良いのだ、こんな奴は双子でも無い。
双子なら、何処か似ている所があって良いはずなのに、全然ない。
人の事を捨てて行った両親に、酷く腹が立つ。

何が王家の紋章だ。
王家なんて、綺麗事言っているだけのクズ共だ。
特に、ゼルダ姫。

数カ月前、何でもハイラルの命運を賭けた戦いをするとか言って、それっきりだ。
ああ言う偽善者は嫌いだ。
ヴァイゼン帝国でも、そう言う王女が居た。
確か名前は、ゼルダ王女。
敵国とハイラルの王女の名前がどうして一緒だかは知らないが、昔からの因縁らしい。


ここは牧場の中だが、丁度良い木陰があって、いつもそこで本を読んで居る。

実際は、さぼりたいだけだ。
ここに居れば、エポナに蹴られる事も、リヴに吹っ飛ばされる事も無い。
ゲイルならそこで寝ているし、その影で見つかる事も無い。

”ホント、飽きるくらい平和だよね?”
「!?」
”ふふ、いきなり話し掛けられても吃驚するよね”
「え………?誰………!?」
”ん?、私?私はね?、君の闇かな?さしずめダークライトって所。ま、気楽にダークって呼んで”
「えーと………」

突然話し掛けられて心臓が止まるかと思ったが、悪い人間ではなさそうだ。

”これから、長い付き合いになりそう。だから、よろしく”
「ええと………」
”じゃ、そう言う事で。よろしくね、「黄昏の姫君」”
「えっ?」

突然王女の呼び名で呼ばれ、ドキッとする。

それ以来、その謎の声が語って来る事は無かった。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ 雪華

2009/08/11 (Tue) 20:16:35

で、結局何をすれば良いのよ?

ハイラル城はダメ。
どちらも王女は復帰不可能。
と、言うか双方居ないし。

「結局何をすれば良かったの・・・」
「仕方ないですよ。影は何人も出て来る。おまけにどれが本物か分からない。誰が魔王の味方か判断出来ない」
「で、一番味方に近いのはゼノヴィア」
「と、時の抜け殻状態のラネールに護られているダーク」
「そして、現在憑依のダークライト」
「それと、天空にいるリン」

顔写真みたいなモノを見ながら、溜息を付く。

「ゼルダぁ・・・。もう私ヤだ。一抜けね~・・」
「ダメです。許しませんよ。いくら私達がふざけた役をやらされているからって、リンクに逆らう訳にはいきません」
「んであんなヘッポコ・・・。遅いし、賢者にケンカ売るし、ザントをフルで斬るし・・・」
「ライト・・。呆れてはダメですよ。将来の夫でしょう」
「ざっけんな!あんな奴とくっつくとか・・・。もうヤだ・・・・・」

自分のふざけた性格もどうにかならないかと考えるが、これだけは治りそうにない。

自慢の銀髪が、さらり、とテーブルにかかる。
昔は真面目、だが今はサボり魔の彼女は最近だらだらしている。

あれから、600年はたったのか?
年一つとる事許されない彼女達は、輪廻の楔を永遠に外れて生き続けるだけ。

「これも、トライフォースの呪か・・・」
「・・・ガノンドロフが生き続ける限り、私達も生きなくてはならない・・」
「そう、それが僕達に架せられた呪い」
「「リンク」」

ドアを開け、静かに入って来た蒼衣の青年に、ライトは顔をあげた。

「なんで青・・・?」
「だって、今度の勇者がまた緑なんだもん」
「それだけかよ・・・」

ゼルダが、リンクと同じ金髪を揺らし、こちらを見る。
・・・・・なんか仲間はずれ的な気分。


(帝国に生まれたのが運の尽き、か・・・)


静かに二人を見ながら、自分の血を呪いながら心の中で静かに想った。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - 雪華

2009/08/24 (Mon) 11:26:28

パソコンが壊れてしまったので、治るまでしばらくお休みします。

あまり時間はかからないはずなので、直り次第復帰します。
今より少し更新頻度が落ちるかもしれません。

ご迷惑おかけしますが、これからもよろしくお願いします。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ 風空

2009/10/25 (Sun) 19:46:15

パソコンが治ったので、復帰しようと思います。
長時間の間、小説を放棄してしまってすみません。

それと、名前を「雪華」から「風空」に変えました。

相変わらずに駄文だと思いますが、よろしくお願いします。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - 雪華

2009/10/25 (Sun) 20:14:09

いつも通り本を読みながら、俺達は街道を歩いている。

ここは、かつての”ハイラル王国”の名残。
最後の魔王封印から、もう数百年たっている今では、ただの遺跡となってしまっている。

「本当にここに封印なんかあるの・・?」
「知らないけど。でも、書物には”王家の姫が座りし玉座の下を調べよ”と、記されていたんだから」
「でも………」

彼が不安なのはよく分かる。
何があるのか分からないのだ、ここは。

昔、調査に入った研究体がスタルフォスによって虐殺された、と言われている。
そしてまた別の話では、「死んだはずのゼルダ姫が生者の命を求めて彷徨って居る」とも聞いた事がある。

この城が呪われているのは、「魔王」の所業でもあると。

「ほら、入る!」
「でもぉ………」

足が竦んだように動かない相棒を、無理やり動かす。

ここに封印があるはずなのだ。
なければ、本気で父を呪う。

松明を掲げながら、ゆっくりと城の地下へ進む。
カツン、という石独特の音が耳に木霊する。

カツン、カツン………コツ。
コツ、コツ、コツ………。

独特の音が、アヴィン達の耳を打った。

自分達の足音と混ざった“それ”は、確実にこっちへ近づいてきている。

いつの間にか噴き出した汗が、松明を握る手をしっとりと濡らしていた。

「ア、アヴィン………」
「下がってろ、ジュリオ」

下がって居ろ、と言いながら自分の足もガクガクと震えている。

「あら、こんな所に子供なんて………。何の様かしら」

静かだが抑揚のない声が聞こえた。

暗闇の底で、赤い瞳が動く。

「もう一度言うわ。何の用」

抑揚のない声が、段々と怒りを帯びてきているのに気付いて、噴き出した汗が一瞬にして冷や汗に変わる。

ギュッと心臓を握り締められている様な気がした。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - ニボシ

2009/10/25 (Sun) 21:05:00

パソコン復活、おめでとうございます!
雪・・・じゃなくて風空さん
あいかわらず文章が旨いですね
状況の説明が真に迫ってて何か今怖くなって来ました・・・
これからも更新楽しみにしてます!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - 風空

2009/10/26 (Mon) 17:08:49

お久しぶり(?)です、ニボシさん。
(こちらでは初めまして、でしょうか・・)

コメント有難うございます!
本当はパソコンはとっくの昔に治っているのに、なかなかこの掲示板に来れませんでした。
なるべく、来るようにしたいと思います。

では、ありがとうございました!
後で、そちらの小説に伺わせて貰います。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - 風空

2009/11/04 (Wed) 18:37:39

カタカタと、微弱な痺れが足を伝い全身へと回る。

舌が、張り付き乾いていた。

「ア・・ヴィン・・」
「下がってろ・・・」

松明を突き出し、相手を探すが誰も居ない。
幻だったのだろうか・・・。

「何処を見て居るの・・・?」
「っ!!」

ぞくりと肌が粟立つ。

「久しぶりの人間・・・、誰が私に生血をくれるの・・・?」
「・・・!」
「ジュリオ!」

異常なほど白い手が、ジュリオの首を掴んだ。
青い髪が、揺れる。

「・・ヴィ・・・の、け、んを・・!」
「銀の短剣!?」

そんなもので、この化け物を倒せるのか?

「・・・良いわね・・まだこんなに血が・・」
「・・・!」
「ジュリオ!」

首から頬に手が移り、ジュリオの顔が恐怖に引き攣った。

「止めろ!」

必死に叫ぶ。

嘲笑う様に赤い目が細められた。

―――――――――蛇・・・

例えるなら、蛇。
飢えた、蛇。

――――――――誰か、助けて・・・!
母さん・・・・!

「!?」

ぱっと、光が射した。
白い、光だ。

(願いが叶ったのか・・?)

赤い目の化け物が、苦悶の表情を浮かべた。

「こいつ・・・!光に弱いんだ!」
「っ!!」
「図星か!」

<魔に魅せられた者>は、光の精霊の加護を受ける事が出来ない。
闇の中でしか生きられない。

光が射してくるのは、入口から。
と言う事は――――――――――――

「誰か、っ居るのか!」
「居るわよ」
「!?」

静かな声が聞こえ、ジュリオもアヴィンも入口を見た。

さら、と銀色の髪とアヴィンと同じ黒い髪の人影が見えた。

「聖なる光よ、我に仇名す敵を討て!」
「・・・!」
「浴びときな!――――――ディバインセイヴァー!」
「っああああああああ!!!!」

銀の髪を持つ人影が、手を翳し振り下ろした。

途端、光が赤い目の化け物に向かって降り注いだ!

一瞬、紫色の髪が見え、息を呑んだ。
何故なら、そこに居たのは――――――――――――

「ゼルダ姫・・・?」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - 風空

2009/11/22 (Sun) 19:45:07

「攻め落とせ!!!」

何百年か前の“私”は“神の剣”を握り、後ろに控える黒に身を包んだ騎士団にそう命じた。

雄叫びを上げ、燃え上がる城下町を黒の集団が走って行く。

その後を追いながら、“私”も城の中へ入って行った。



「姫、下がっていてください」
「ですがリンク・・・」
「あいつを・・・間違った道に堕ちてしまったあいつを助けるのは・・・俺の役目なんです。きっと」
「・・・」
「御遊びはそれまでにして貰おう、ゼルダ」
「な゛っ・・・!お前!!」
「感動の再会と行きたいが・・・生憎だが私は・・・お前達の首を取りにここまでやって来ているのでな。「感動の再会」と行く訳にはいかないんだ」
「ライト・・・」
「その名で呼ぶなっ!!!私は、お前と慣れ合いをしていた頃の”ライト”ではない!
私は、”ゼルダ“だ!!」
「っ・・・!」

元来、“私”の故郷にはハイラルと同じように「ゼルダ」と言う名が先祖代々受け継がれていた。

目の前に居る相手はゼルダ。
だが、また“私”もゼルダなのだ。

「―――――リンク」
「ゼルダ・・・無理しなくて良い」
(ふん・・・さっきの『姫』とやらは格好付けか)
「構えろ、ライト」
「ライトではないと言っているはずだが?」
「どっちでもいい!!俺に、俺たちにとっての「ライト」はお前だけなんだよ!!」
「・・・」
「さぁ、剣を構えろライト!」
「―――――良いだろう」

そう、“綺麗事”で世界を救えるほど、この世界は澄んで居ない。


剣を、構えた。


「待ってください、リンク!!」
「ゼ、ゼルダ・・・?」
「私に・・・やらせて下さい」
「・・・でも」
「良いのです。国の為、貴方の為なら・・・・ライトの為なら、この命・・・散らして見せましょう」
「そんな!!」
「・・・これは、王女命令です。貴方は、黙って壁際へ」
「っ・・・・・」

へぇ?そうやってゼルダの願いは聞くんだね。
“私”の願いは聞いてくれなかったくせに。

剣を片手にゆっくりと歩いて来る、ゼルダ。

「ライト・・・」
「何処に居ても貴女は恵まれていた・・・私みたいに苦しむ事なんかなかった・・・!!!」
「ライト?」
「私はアンタを―――――――――」

“私”はもう一度剣を構え直した。

「許さないっ!!!!!!」

左手から、凄まじい光が放たれる。

それに共鳴させるかのように、ゼルダの手の甲から光が放たれる。只のトライフォースだ。強くはない。


「久方ぶりだな。お前と、こうして剣を交えるのは」
「懐かしいですね。よく、こうして二人で剣の修練を積んだものです」
「そう・・・良く積んだものだ・・」
「ええ、そうでしたわね」

クッ、と喉の奥で嗤った。

「そう・・・何度試合をしても勝つのはいつもライトの方・・・」
「・・・」
「でも、今日は違う!!私には、守るべきものがある!!!」

刀身から、凄まじい力が放たれる。

「くっ・・・!!」
「はぁっ・・・!!!」

刀身がぶつかり合う。

「六・・・賢者たちよ・・・!!」

今です、という言葉が紡がれた。

「しまっ・・・!!!」

遅かった。
何もかも。


涙ぐむゼルダが見えて、それから。
それから、どうなったんだろう。

ただ、真っ白の光に包まれたのは覚えて居る。

光の中で、サリアの顔が見えたのも。
サリア以外は憤慨した表情だったのに、サリアは泣いていた。泣いてくれたんだ。
最後に、ミドとサリアとまた一緒に笑いたかった。


ただ――――――――――――――――――――



それからの記憶が、一切なかった。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - 風空

2009/12/02 (Wed) 22:06:27

「何故………1000年前に滅びた王家の姫が………」
「一度ならず二度までもォォ……何処までも邪魔しおってェェェ…………」

紫の化け物の声が変わった。
光を浴びる前の綺麗な(と言っても生きている者の声じゃなかったが)声じゃなく、酷い怨念に満ちた声だった。

「諦めろ、アグニム。亡き初代ゼルダ姫の体を利用し生き延びて来たようだが………貴様は光に弱い。充分天秤に諮らせて貰ったぞ」
「何だと………!!!!」
「このもうろくジジイめ。いつまで若い娘に寄生するつもりだ?助平もいい加減にしろ」
「誰がジジイだ!!魔力に満ちた若い娘ほど都合の良いからだはな―――――――――――」
「黙れ。さっさと消えろ、万年助平ろくでなし妖怪悪鬼百年ひひじじいめ」

この上ない悪口で満たされている。
これじゃあ相手も怒るよなァ……………。

「さっさと冥界に堕ちろ」
「なっ何をぉぉうおおおおおおああああ!?」

ゼルダ姫(助平に乗っ取られるなんて)の足元に赤い扉が開く。
無数の手が這い出て来て、ゼルダ姫の体中を引っ張り、扉の中へと引きづり込んだ。

「貴様が殺してきた無数の人間達だ。裁きを受けておけ」
「ゆ、許さぬぞ小娘!!貴様も道連れに――――――」
「は無理だな。一生無理だ、覚えておけもうろくジジイ」

銀髪の人が手を振り下ろす。
扉が静かに閉まり、虚空に消えた。

「やれやれ………。水精霊の封印を邪魔してくれちゃって………あのジジイめ。今度会ったら二度と地上に出て来れないようにしてやる」
「あ、あの!!」
「あ?」

銀髪の人が反応した。反応の仕方が仕方だった為に、ジュリオが一歩後ずさった―――何やってんだ。

「た、助けてくれてありがとうございます!」
「ん?礼には及ばない。<守護するもの>として約束を守っただけだ」
「は………?」
「あ、いや。<巡礼の旅人>を護る為の仕事だと」
「あ、そう言う…………」

納得すんなぁぁああ!!と心の中で叫んでしまう。

「其処の茶。何をぶつぶつ言っている?助けに来てやったのだ、礼ぐらい言え」
「なっ………何て言えば良いのかこっちも」
「王族が分からんのか?学力が落ちたな、アンビッシュも」

ふむ、一度勉強でも教えてやろうか………と呟いてこっちに来た少女に腰が抜けた。

何なんだ、コイツは。

白い杖を持ったその少女にそう言いそうになって慌てて口を押さえた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁~未来の痕跡~ - 風空

2009/12/05 (Sat) 09:22:05

目が覚めたら、牢だった。




「あれ………私………」

冷たい水を頭にかぶせられたような気がして、急激に目が覚める。

確か。

ライトの頭の中では今までの事が高速で再生されて居た。
猪に乗った緑の奴に殴られて、目を覚ましたらリンクと一緒に泉に倒れていて、橋を渡ったら黒い壁があって黒い何かに掴まれて………
あっ!!と思いだす。

「あ、あの黒い化け物!!そう言えば、あいつは何処に…………」

左手の痣から光みたいなのが放たれたのは覚えている。
それからぼんやりとしていて覚えていない。

只体中が物凄く熱くなり、息が出来ない様な苦しみが襲ってきたのは覚えている。

「リンク………」

何処、と呟いた時、橙色の何かが視界をよぎった。

『何だ………もう目が覚めたのか………』
「………」
『お前、人間の癖に何で体を保っていられるんだ?
何も力を持たない奴は魂になっちまうのに………』
「………リンクは………」
『へぇ、こいつリンクって言うのか?』

その橙色の何かは、隣の牢に移動した。
素早く移動するから見えなかったけど、小さな黒い体をした「女の子」だと分かる。

リンクの姿を探した。
隣の牢には、狼しかいない。助けを求める様な眼でこっちを見ているだけだ。

そこまで考えて、ハッと気付いた。

「まさか………リンク!?」

狼がコクン、と頷いた。

「な、何で狼に………でも一体ここは………」
『ここはトワイライトだよ』
「トワイライト?」
『そう。影の世界。居心地が良いだろ?』

良いだろ?って言われても。


暫く考えた挙句、ライトは牢から出る事にした。
―――――――――――出れるかどうか分からないけど。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2009/12/20 (Sun) 19:06:50

「そうか、お前達は今年の<巡礼の旅人>なのか」
「あ、はい」
「<巡礼の旅人>は何十年も見て居なかったからな。お前達の様な子供が旅をするのは、私の中では珍しい」

助けてくれた少女は、イルティスと名乗った。

「アンタ、一体何年生きてんだよ」
「さぁな。少なくとも、時の勇者がマスターソードをぶん回していたのを覚えているから………………5000年か」
「ご、5000年!?」
「ああ、私はエルフでな。長命なのだ」
「エルフ…………」
「そう驚くな。お前達はもうエルフなど見た事がないから当然だろうが………エルフはまだ滅びてなどいない。
確かにゆっくりと数を減らしつつあるが、まだ生きている」

銀髪、と言うより色素が抜けたような髪。顔の両脇から飛び出ている長い耳はエルフの証。

「僕、ハイリア人かと」
「ハイリア人?遥か昔に滅びた王国の民が、何故生きているのだ」
「長い耳、と言うとハイリア人しか思いつかなかったんです」

エルフとハイリア人は違った。
エルフは長い、垂れ下った様な耳が特徴の森の一族。人前には姿を現さず、警戒心の強い今や滅びつつある民。
ハイリア人は、長く尖った耳が特徴のハイラルの民だった。
トライフォースと呼ばれる神の力を宿すものが居る、2000年前くらいに滅びてしまった一族。

滅びた理由は、確か風の勇者が魔王封印の時に神の怒りを買った………らしい。
神はその罰に、風の勇者とゼルダ姫を石に変えた。
その後、ハイラル全土に雷が降り注ぎ、ハイラルを焼き払った。
そして、他国からやって来た旅人が、それを哀れに思い祈りをささげた所、神のお告げが下ったらしい。

それから、ティラスイールが出来たとされている。

「愚かなものだ。風の勇者も………」
「は?」
「風の勇者は、世界ではなくゼルダ姫を選んだ。それは世界が滅びると言う事。神々はそれに怒り、罰を与えた。
結果………ハイラルは滅びてしまった」

イルティスが言った。

「二度とハイラルは蘇らぬ。まぁ、当然の結果だろうな」

遠くを見る様な眼。その眼は、さっき出て来たばかりの遺跡を見ていた。
小さく、「すまぬ」と呟いた声が、確かに聞こえた。










「首尾は?」
「すべて整っております」
「………あ奴もよくまァ足掻けるものだ」
「邪魔なのは、勇者なのでは?」
「勇者………。3世界の勇者全てをどうやって消せと?あの女が居る限り、勇者には手出しできぬ」
「………」

闇の中で、<男>が低く言った。

「次失敗したら………命はないと思え」
「分かっております。アグニムが失敗するのは、分かっておりました………」
「次の駒は?」
「ザントでございます、陛下」
「ほう………。余は黄昏世界へ赴こう。幻想世界で、しかと足止めをしておけ。よいな」
「分かっております、陛下」

<女>は、低く頭を垂れた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2009/12/23 (Wed) 09:20:36

「なぁ、イルティス」
「何だ」
「アンタ、この辺の地理に詳しいのか?」
「まぁそうだな。今でこそ只の街道になっているが、2,3000年前はここは緑豊かな平原だった」
「平原・・?」
「知らないのか?ここは、ハイラル平原の跡地。今はノスロア平原になっているがな」
「ここが・・・?」

ジュリオが遠くを見た。白百合が咲き乱れる平原は、昔とちっとも変らない。
魔物も出ないし、子供がよく遊びに来るぐらいの平和な場所なのだ。

なのに、「ハイラル平原だった」と?

「時の勇者は、な。時を超え7年後の世界にやって来た。しかし、それが間違いだった」
「間違い、ですか?」
「ああ。魔王がいない世界と、いる世界、勇者が敗北した世界。時の勇者はゼルダ姫を助けたい一心で2つの光の世界を作ってしまい、そもそも語られることのない闇の世界をおまけとして賢者が創りだした」
「はぁ・・・」
「魔王がいない平和な世界。それが“この世界”だ。7年前に帰えされた時の勇者は、幼いゼルダ姫と共に魔王の野望を阻止しているから、”この世界”とは違う歴史が語られる全く別の世界となっている」
「イルティスさんは、行った事あるんですか?」
「ないな。というか、行く手段もない」

ジュリオに歴史を語るイルティス。
その存在を、アヴィンは見た事があると思った。
母の、姿。病気で亡くなった母も、時折訪れるジュリオによく歴史を語っていたものだ。

母は軽やかで楽しく話していた。だが、イルティスは。

一回も笑いもせず、ただ淡々と話し、どれだけ【運命】と言うものが重く辛いものだかを語っている。
あれなら嫌でも覚えてしまうだろう。

「アヴィン、あの封印で何か得られたものはあったか」
「は?何言ってんだよ。封印なんてどこにも・・」
「バカ。アグニムが封印だったんだ。もう封印は解かれている。
水精霊ネライディアはもう呼び出せるはずだぞ」
「呼び出せる訳ないだろ。水のシャターヌまで行かなきゃ」
「この時代の封印はややこしいな。司祭に文句を言ってやる。何の為に【守護するもの】の役目があるんだ」
「司祭の文句を言っても・・。シャターヌは旅人にこれからの未来を見せる鏡であって、そこに行かなきゃ精霊とは契約できないと思うんですけど・・・」
「何だと?」
「白き魔女が、そうしたんです」
「白き魔女?ゲルドの事か?」
「ゲルド?ゲルド族じゃなくて・・?」
「そうか、お前達は知らないのだな。白き魔女は、この世界・・まぁ、つまりアストラルから来た生粋の魔女だ。魔女たちの名前は長く普通の人間には理解できない。
だから、魔女は自分達の名前を理解できるように一部の名前を省略して人間に教える」
「なるほど」
「ゲルドの場合、そのゲルド族から取った訳ではなく元々の自分の名前を省略して教えた訳だ」
「じゃあ、ゲルド族は白き魔女の名前をパクったんですね!!」
「ああそうだ。不埒な輩どもめ。ま、所詮は魔王などを崇拝する愚かな民どもだからな」

いらぬ知識をジュリオに教えるな、と言いたい。
ゲルド族は白き魔女から取ったのではなく、古代ハイリア語で【砂漠の民】と言う呼び名からそう呼ばれるようになったのだ。
全然パクってなどいない。

「はははは!お前、物分かりが早いな」
「そうですか!?」

いかにも作り笑いであるのに、全く気付かないジュリオ。

「今度の旅は楽しくなりそうだ。長い間、宜しく頼んだぞ」
「はいっ!!」

アヴィンは小さく返事をした。

「・・・そろそろ、奴も動き出すだろうな」

意味深な呟きは風に消えた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/02/22 (Mon) 21:44:18

「・・・本当にここであってるのか?」

「・・・の、筈なんですけど」



イルティスがチッと小さく舌打ちをした。


「ったく、いつになっても頼れん小僧だな。イエスかノー、どっちだかはっきりしろっ!」
「は、はいっ!」


怒られてやんの。


アヴィンは小さく嗤った。


「”こちら側”の人間はやはりマトモに働かないな・・。全くもって使えん・・・。
だが・・・いや、利用できるだけ利用しておこう・・」

「あの・・?」

「あ、ああ・・・いや、何でもない。ここが水精霊が居る所なのだろう、ならさっさと入ってさっさと戻ってこい」
「へ?・・・イルティスさんは行かないんですか」
「行くかボケ。お前らが試練を受けるのであって、私が受ける訳ではないぞ。行ったところで、私には何も見えん。
そんなのただの無駄足だ」


旅人の試練を無駄足とは。

アヴィンは一瞬絶句した。
こんなに試練を蔑ろにする人間、見た事ない。

どうやら、イルティスと言う人物はアヴィンが思っていたより辛辣なエルフらしい。

―――――――――――――こんな性格のエルフが沢山いんのか、コイツの故郷には・・。


「何をぼさっと突っ立っている。さっさと行け、このグズ」
「な・・・・!・・ま、いいか」


コイツに逆らったって、いい事ないもんな。




試練の神殿の中を歩きながらアヴィンは小さく欠伸をした。

「魔物が出る、とか言ってたけど・・全然出て来ないな」
「・・そうだね。でも、気を付けた方がいいと思う。水の流れが異常だし・・」
「水?」

ジュリオが何気なくそう言った。
アヴィンは不審に思い、側を流れている水路の水を見た。

透き通っていて、別に何の異常もない。

あたりには水の匂い(何か・・こう、森の中を歩いている様な感じだ)が満ちているし、水路に傷んで居る所はない。

「何がおかしいんだよ?」
「アヴィン、君は城育ちだから・・。僕は村育ちだから分かるけど、水がおかしい時は“音がしない”んだよ」
「音が・・しない?」


確かに、流れる音がしない。
水は、音も立てずに流れている。


―――――――まさか・・・・!!


「ようやく気付いたか・・・鈍間な旅人だな」


冷たい、感情を押し殺した女の声が響く。


ダンっと音がして、振り返れば後ろにいたジュリオが気を失って倒れていた。


「一人の方が狩りやすい」


四方八方から声が聞こえ、戸惑う。


ゾクリとした殺気を感じ、急いで振り返ると目の前には一人の女が水の上に立っていた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  - ニボシ

2010/02/22 (Mon) 22:35:00

おおッ!御久しぶりです、ニボシッス!!
シャドウ「毎度思うんだが、コメントの欄に既に名前が書いてあるんだから一々名乗るのはどうなんだ?」
・・・毎回思うけど、どうして君はいつも僕の欠点とかをいち早く見つけられるの・・・?
シャドウ「慣れだ、残念だがな」
・・・・・・・・

再開ですね!いつもシリアスな描写がうまくて・・・
シャドウ「お前では到底追いつけないもんな」
・・・・・うん、ホントにね・・・・
シャドウ「・・・・負けてるな」
・・・・・・・うん・・・・
シャドウ「・・・・・・負け犬だな」
・・・・・・・・・とにかくッ!!
これからも小説、がんばってください!
シャドウ「・・・『とにかく』でめんどくさい事全部省略出来ると思うなよ・・・・!」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  - 偃月

2010/02/25 (Thu) 16:14:41

初めまして。偃月と申しますものでございます。
すっご・・・だめだ、卒倒しそうです。(そんな所で卒倒してどうするんだか。あはは)
赤「というか、コメントするのめちゃくちゃおそいんじゃないかな?」
ちょっと!話をそらさないでよっ・・・

いや、文章上手すぎですって!どうしたらこんなすごいことが出来るのか僕には分かりません。
赤「キミが理解できるのは小学校一年生の国語ぐらいじゃなかった?」
・・・なんでまたそんなことを。   よりも!
続き、楽しみにしてます!!!
赤「ボクから逃げようなんて100年早い・・・」

うわああああああ・・・

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/03/05 (Fri) 22:15:54

こんばんはー!返信遅れてゴメンナサイッ!
ライト(以下ラ)「遅すぎよ」


ニボシ様ー!

お久しぶりです!
来るのが遅れてごめんなさい!
ラ「ホントよね」

ちょっと!


・・・・・え?
え?え?

な、なななななななな・・・

ラ「いつまで混乱してんの」


ちょっと黙ってなさい。


「描写が上手い」ですと~!?


いえいえいえいえいえ、そんな事ないですよ!
ニボシさんの方が断然上手ですって!
私なんか比べ物にならないですよ。

文章能力なくて、書いてるものだって意味分からないですし・・。

ラ「風空ってば、何で誉められてるのか分からないのよ?」

だって、普通罵られるでしょ。

ラ「・・・当たってるけどね」


そちらのスレに行く、と言っておいて、行かなくてすみません!
後日お伺いさせていただきます!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/03/09 (Tue) 20:11:17

「ごめんなさい、急に呼んで」


申し訳なさそうにするゼルダ姫の顔を見て、ドキリと心臓がなった。

「いえ・・そんな・・。ミドナに我儘言って残ったのは私ですから。姫が悪い訳では・・」
「・・」
「あの、何か?」

いいえ、とゼルダ姫は顔を振った。

「・・ごめんなさい。あなたは私の知人に似ているんです」
「知人に、私が・・?」
「ええ。・・もう、死んでしまったのですけれど」
「・・!あの・・思い出させてしまったんなら、ごめんなさい」
「いいえ、貴女が悪いのではないのです。ごめんなさい」


何か私達って謝ってばっかだな、とライトは思った。


こんなに優しい人が、民を護る為に国を・・。

魂と変わり果てた民達を見て彼女は何を思ったのだろう。
どれだけ謝ったのだろう。


「一つ・・宜しいでしょうか?」
「ええ、どうぞ」
「何故・・貴女は人の形を保っていられるのですか?」
「え・・と、ごめんなさい、私にもよく分からないんです。
ただ・・・」
「ただ?」
「トワイライトに入る時、何故か懐かしい感じがしたんです。それから、何かのフラッシュバックが起こって・・それが関係しているんでしょうか」
「フラッシュバック・・?詳しく、聞かせてくれませんか?」
「はい」



『父上・・母上!!』
『来るなゼルダ!来てはならん!』
『ですが・・!!――――私に国を捨てて逃げろと仰るのですか!?』

『必ずしやハイラルに逃げ伸びて・・・国を・・・!』


『アストラシア・・・!』




「アストラシア・・・!?」
「え、あ、はい・・。確か、「ゼルダ」と呼ばれた女性が誰かにそう呼ばれていました」
「アストラシア・・・ではやはり彼女は・・」
「あの、ゼルダ様?」
「・・・少し、昔話をしましょう。私が幼い頃の、隣国と戦争だった頃の話です・・」
「隣国・・・?」

はい、と頷いてゼルダ姫はゆっくりと語りだした。


「私が幼い頃、隣国とハイラルはまだ戦争の最中でした。
私達と隣国は「神の力」を求めて争い合ったのです。私は父から話を聞いていたので、ある程度の戦いの知識を身につけていました。
戦争が激しくなり、互いに疲弊していた時です。
ハイラルに・・この城に侵入者が一人入って来たのです。
たかが一人の侵入者。すぐに始末できると誰もが思っていました。ですが侵入者は何十人もの兵士を楽々と倒して私達のと所までやって来ました。
父と私は、死を覚悟しました。ハイラルの屈強な戦士を倒してしまう侵入者。
謁見の間に、その侵入者が入って来た時私は我が目を疑いました」

すぅ、と軽く息を吸って話を続ける。

「――――――侵入者は子供だったのです。私と同い年ぐらいのハイリア人でした。
只子供と言うには大人びていて、表情がありませんでした。
人形のように動く、小さな死神。
彼女は剣を構える事なく、静かに「戦は終わりだ、両者とも退け」と淡々と言ったのです。
彼女は隣国の王族、つまり私と同じ位置の人間でした。
ハイラルとは対照的な髪の色をした、存在そのものが私達とは違う「ハイリア人」でした。
彼女の一言の言葉で戦争は終結しました。――いいえ、終結しざるを得なかったと言った方が正しいでしょう」

小さくゼルダは息を吐いた。

「彼女の手には「聖なる印」が浮かんでいたのです」

遠い過去を思い出すような視線で、ゼルダ姫はライトを見る。

「そして、その者の名は――――――――――」


目を伏せ、再び顔を上げた。
水より美しい蒼穹の瞳が、ひた、とライトを捕えている。

ライトもまた、ゼルダを見た。


「ゼルダ・アストラシア・ライテルシルト」


呪文の様な名前を呟くと、彼女は哀しそうな目で窓の外を見た。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/03/13 (Sat) 22:54:39

「アヴィン!!」


鋭い声と共に、目の前にいる女が飛び退った。

女が居た場所を見ると、ぱりぱりと音を立てながら消えて行く小さな雷が発生していた。


「イルティス・・・!」
「大丈夫か?」
「あ、ああ・・・それより、ジュリオが・・」
「安全な場所へは運んだ。ただ・・・」
「ただ?」


す、とイルティスは目を伏せ言った。

「あいつは体が弱いからな。二つ先の封印に行くまでは・・少し・・酷な事を言うかもしれないが足手纏いになるかもしれないな」
「そう、か・・・」


ジュリオ・・・。


「誰かと思えば、貴様か<白銀の賢者>」
「フン。どうやら私を知っているようだが・・誰だ貴様は」
「魔に侵されし真なる世界の者。そう言えば分かるか?」
「真なる世界だと・・・・?―――貴様、まさか!!」


目を見開いた。


「・・・成程な。お前が<黄昏世界>の・・・あの者の半身か」
「今頃気づいたのか?・・まぁ、早い方だが。只の引き籠りのエルフだと思っていたが・・・・どうやら違うらしいな」
「貴様こそ・・・どうやら、ハイリア人のようだな」

「な・・何だと!?ハイリア人はもう居ないだろ!?」

「・・前に言っただろう?この世界と似て非なる世界があると。その世界は・・・・まだハイリア人は生きている」


何も言えなかった。

目の前に立っている、黒いローブを被った女がハイリア人?


「この世界に影の結晶石はないみたいだな」
「当たり前だ・・!ここには、まだ7賢者が居る!古の勇者の血族であるお前など一瞬で消し済みだ・・!」
「くっ・・・・」

初めは、悔しくてそう言ったのだと思っていた。

だが違った。
その女は、


わ ら っ て い た の だ


「ククッ・・・・それはどうかな。私には光の精霊の加護はおろか、完璧な神の力を備えている。
私の前では7賢者など塵に等しい」
「・・・・なら、この世界に何の用だ!」



「クククッ・・・・さぁ、何ででしょう・・・?」


そいつはからかっているのかの様に笑うと、スッと左手を掲げた。


その左手に現れたのは、白銀に染まったトライフォースの印だった。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/15 (Mon) 17:17:47

※グロシーンありです!!気を付けてください。





「死にたくなければ、お前の中にある<力>を渡すんだな」


手も足も出ない。

イルティスは黙ったままだしジュリオは気を失ったままだ。


水の上に、静かに浮かんでいる女。
ローブから覗く赤い目が、冷たくイルティスを、そしてアヴィンを見ていた。

この世界で、魔法を使うものはもうエルフしかいなかった。
魔力耐性を持つ生物はおらず、古からの決まりを護り続けているエルフしか、もう魔法は使えなかった。

それが、滅んだはずのハイリア人が現れて、使えないはずの魔法を使っていたら、それを目にした人物は果たして平然と居られるだろうか?



そう、アヴィンにとっては目の前の女は「化け物」に等しかった。

「何なんだよ――――――?」
「・・・」

笑うしかなかった。

「何なんだよ!!お前、一体何なんだよ!何がしたいんだよ!!」
「何がしたい、だと?笑わせる。―――――私は還りたいだけだ、あいつらの元へ」
「だったら、勝手に帰ればいいだろ!!何で俺達を巻き込むんだよ!」
「・・”俺達を巻き込む“・・?―――貴様、まさか!!」

「ふざけんなよッ!!」


怒声と共に、何か膨大な力が体の中を駆け巡った。
抑える事が出来なくて、放っておいたら存在そのものが消えてしまいそうな―――――


「アヴィン!?――――――やめろ!その力は使うな!」

イルティスが叫ぶ声が聞こえた。

止めたい。
けれど止められない。
やめろ、と言われても―――――抑える事が出来ないのだ。

バッと黒い波動がアヴィンを襲った。


「・・なるほど・・お前に埋め込まれていたのか。<影の結晶石>は」
「しまった・・・」
「大人しく渡せ。でなければ、<力のトライフォース>の毒気にやられて死ぬぞ」
「・・嫌だ、と言ったら?」

「力付くで奪うまで」


女の左手が輝いた。
白銀の聖三角の印が強い輝きを放ち、イルティスの体を打つ。

「ぐっ・・!」

呻き、倒れそうになったイルティスの体をドン、と何かが貫いた。

「あった」

そのまま何かを掴み、貫いたものが引き出される。


それは、朱に染まった女の右手。
手の先には、黒い輝きを放つ石が握られていて―――――――

あれは、誰の血だ・・?


女の足元を見た。

そこには、胸元、そして白いローブを真っ赤に染めたイルティスが――――――――――――――――

「感謝するぞ。お前の力のお陰でこの女の力は緩み、影の結晶石を表面に出した」
「イ・・・イルティス!!」


慌てて駆け寄り、抱き起した。

虚ろな目が、虚空を見たまま止まっていた。


カタカタと体が震える。


「なんだ、悔しいのか?その女を殺された事が」
「っ・・・・!」
「守れなかったとそう思っているのか?違うだろう?
お前達は今まで護られていた。違うか?

非力ゆえに護られていた。・・・・違うか?」


非力?
そうだよ、俺は力なんかないさ。
力がないから・・護られていた?


なら、力を手にすればいい話じゃないか。


「てめえぇぇぇぇえぇえぇぇぇぇぇっ!!!!!」

殺してやる。

その感情に呼応するかのように力が集まってくる。


「っ!?何だと―――――!この世界のトライフォースは、まさかこいつらに・・・・ッ!!」


Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/20 (Sat) 20:51:12

「・・・・なるほどな。お前は、この女が“居なくなれば“その力を止めるのか」


アヴィンを見、ローブの女は呟く。


「どうした、憎いか?」
「憎いに決まってんだろ!?」
「なら殺してみろ、私をこの女ごと殺してみろ」


私の事が憎いなら、殺してみろ。
この女ごと。


出来るんだろう?


「私はこの女を殺してはいない、致命傷を負わせる原因を作ったのはお前達の弱さだ。
お前達がもっと強かったなら、この女は致命傷など負わなかっただろうに」
「な・・・んだと・・?―――――ふざけんなっ!!!」


「魔王」のものとは違う、大きな波動が女のローブを吹き飛ばした。


「!!お、お前は・・・!!」


ふわり、と上がる銀色の髪。
静かに開けられる赤い目。片目は蒼だ。


驚くアヴィンを見、女の唇が弧を描いた様に持ち上がった。


「どうした?そんなに珍しいか?・・・この私の姿が」


にっと嗤って笑みを深める。

「・・ほぉら、どうした?殺して見せろ」
「――――――?」
「・・?」

「時の・・・勇者・・!?」


その珍回答ともいえる言葉に、さらに笑みを深めた。

「残念ながら、私はあんな愚かな存在じゃない。時の勇者など、私にとっては塵に等しい・・・あんな腰抜けと、一緒にするな」

「何なん、だよ・・・何でお前そんなに・・!!」

「知るか。私は気付いたら“私”になっていて知りたくもない知識を持っていた。知識を得る代わりに、私は真名を記憶の中から失った。
敢えて名乗るなら・・<罪なき大罪>―――シン、か」

淡々と冷たい声で話し、残りのローブを体から剥ぎ取る様にして投げ棄てたシン。

ローブの下に隠れていた衣装は、伝説の中に出てくる勇者がよく着る緑衣に似ているものだった。
ただ・・・・狩人が着るような、だけど着るにしては存在感がなさすぎる、まるでシンそのものを表すような感じだ。



この女は異質すぎるのだ。
無敵に近いであろうイルティスに簡単に致命傷を負わせたり。


何なんだ?


―――――化け物に決まってるだろ


「――――――れ・・」

「・・ん?何だ、まだ息があるのか・・・・」



「アヴィン、離れろ!!!」


聞き慣れた声が、虚ろへと飛んでいたアヴィンの意識を現実へ戻した。


「・・・へぇ、やっぱり・・さすが賢者と呼ばれるだけはあるね。私を次元に飛ばそうって魂胆か」
「命に関わるかもしれないがな・・・だが今なら出来る。

貴様を封印する!」


「イ・・・ルティス?」

「アヴィン・・離れて、ろ。お前まで飛ばしてしまったら・・私にプライドが傷つくからな。・・退いてろ」


体から、嫌な気が引いた。
少しだけ張り詰めていたシンの顔が、ほんの少し和らぐ。


「なるほど。あいつを大人しくさせる為にはお前が必要なんだな・・・・」
「それがどうした?」


フッとシンが笑った。
その笑い顔に嫌な気配を覚えてイルティスは唇をかみしめた。

そして、可能な限りの呪文を口にする。


シンの足元が溶けるように消え、次第に上へ昇っていく。

普通なら恐怖で歪むはずの顔は、今だ笑ったままだった。



「無駄だよ」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  - 偃月

2010/03/20 (Sat) 21:07:37

こんばんは!またお邪魔します。

すごいなあ・・・どんどん進化してる。
赤「どっかの誰かさんとはおおちがい!だね。」
・・・。

時の勇者、か・・・。影の結晶席 ん?なんか違う!!
影「とうとうこいつも壊れやがったみたいだな。PCと一緒に捨てに行こうぜ。」
赤「おう!」


僕の事勝手に壊れもんにするな!今、雪華さんが書いた文章に引き込まれてたんだっ!!!
しかしおそろしいですねあの人とかその人とかww


影「何がいいたいのかさっぱり分からない」

はい。
お邪魔しました!!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/22 (Mon) 18:47:07

こんばんは、返信遅れてすみません!
何故か名前を風空にしても雪華に戻っている風空
で・・・・す
シン(以下シ)「連呼するな、うるさい」


この間は失礼しました!
名前も分からんバカですみません・・!


時の勇者は一応歴史的人物として出しました。
アヴィン達の世界がカゼタクの後の世界なんで。

影の結晶席は・・
シ「ふーん・・影の結晶席ね・・。座ったらどうなるんだろうねぇ?」

・・・そ、それは。
トワイライトに引きづり込まれた時みたいに・・・
シ「ククッ、面白そう・・」

ちょっと、危ない事言わないでくださいよ(汗

―――――↑すみません、話がズレマシタ。


わ、私の文章に引き込まれちゃだめですよッ!!
この上なくつまらないんで引き込まれてもいい事はないと・・。
それに、対して進化してないと・・思います。開始した時から。


そ、それと影さーん!赤さーん!捨てちゃだめですよーッッ!!

恐ろしい・・と言うと、「あの人」がシンで「その人」がイルティス?
ん、アヴィン・・?
あれ、あれれれれれ?
シ「だから、うるさいって言ってるだろ」



では乱文ですが失礼します。
コメント有難うございました!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/24 (Wed) 18:30:28

~どうでもいい独り言~

キャラ募集をしてみようと思ってます。

え、理由?(誰も聞いてない)

え~・・何と言いますか、アヴィン達の方にキャラが行き過ぎてライト達の方のキャラが・・ええ、言いにくいんですが・・・居ないんです、0なんです。

候補としては居たんですが、それは別の掲示板の小説に行ってしまい、想像力が尽きました(ぇ

募集するキャラは6人を予定としています。

賢者キャラ(イルティスの仲間みたいな)2人と、不明キャラ(シンや、ゼルダ・アストラシアみたいな)1人、敵2人、味方1人を今のところ予定しています。

来ない確率高いんですが、一応の注意事項・・・いえ条件(?)は

賢者キャラ・・・~~の賢者――、とかの名前にしてください。白銀の~、の様にそれぞれの姿から取ったものです。

不明キャラ・・・シンとゼルダ・アストラシアの知り合いでもOKなんですが、ハイラルと敵対している隣国の王族、などは控えてください。
ミドナの様に影の一族とか、シーカー族とかにしてください。シーカー族の場合は幻想世界のみ登場する事が多いです。
トワプリの世界には居ないので・・。影の一族の場合はシーカー族と反対です。

敵キャラ・・・敵キャラに関しては特に何もありません。ただ、二人一組キャラ・・とかは控えてください。敵キャラのみ、お一人様一キャラ(何だその表記)までです。

味方キャラ・・・こちらも特にありません。こちらは自由ですが1人なので味方がたくさん集まった場合はランダムで選びます。



注意事項(?)はこれだけです。
募集するのはオリキャラですが、上記にない特殊設定は控えてください。

一応募集期限は無期限です。
一度に何人投稿してくださってもかまいません。迷惑どころか嬉しいです。
人数も制限はありません。設定にも。

来るとは思ってないんですが、宜しくお願いします。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/24 (Wed) 18:53:12

「世界が悲鳴を上げている・・・」


「世界が世界を消そうとしている・・・」




「ゼルダ、お前はどっちの世界を選ぶ・・・?」


「<黄昏の姫君>ゼルダ、黄昏を選ぶか?
<時の女神>ゼルダ、幻想を選ぶか・・・?」


「私は黄昏を選ぶ。それが狭間の<宵闇>の使命。
黄昏は、宵闇と暁と共にある」






「・・・最後の、トワイライト・・・」
『そう、ラネール地方さ。ここを光の世界に戻すかはアンタ達次第だけどね』
「光の世界に戻すよ。それで、ゼルダ姫に会わないと」

『ふーん・・・姫さんにねぇ・・』


欠伸を堪える様にして、リンクの上に跨っているミドナが言った。

ライトはその様子が少しだけおかしくてつい笑ってしまう。

『いつも最後の場所に来ると・・・嫌な事が起きたもんだよ・・』
「ミドナ?」

『・・・ワタシが小さい頃にね、一度だけ影の世界に入ってきた奴がいた。人間のクセに、ワタシが吹き飛ぶような魔力を持っていた』
「ミドナが小さい頃に?」
『ああ・・名前は・・・確か、ゼルダ・アストラシア・ライテルシルト、とか言ってたな。
ぼんやりとして顔は覚えてないんだけど、アンタに似てるんだ』
「私に・・・?」

(それ、ゼルダ姫からも言われたような・・・)


ちり、と頭の奥で焼けつくような痛みが走ってこめかみを押さえた。

『ま、アンタ達には関係ないだろ?さっさと行こうぜ』
「・・・うん・・・あのさ、ミドナ・・」
『ん?』

「その口調、治した方がいいよ」


ぷち。
ぷちぷっちん。


ぶちり。


『余計な御世話だーーーーーーーっ!!』



高飛車な影の住人の怒声に、影の死者達が恐れをなして逃げて行った。




「おかえり、シン」

「影の結晶石は取れたんだね」

「おかえり、そして」


「キミはもう職務を果たした。私の元へ帰っておいで」


「見つけたよ、私とキミの・・・いや、私の半身。ゼルダに会いに行かないと」


トン、トン、タン。


カツン、コツ・・。


地面を歩きまわる音が暗い世界に響く。


「見つけたよ・・・見つけたよ、“レイン”!」


嬉々として赤い目を輝かせながら、眼下の人物達を見つめた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  - ニボシ

2010/03/25 (Thu) 08:07:59

お久しぶりで・・・
シャドウ「墨守」
・・・一言で全てを粉砕しないでってば・・・

もちろん協力させてもらいますとも!!風空さんにはリューフェさんとミネルヴァさんの恩義がありますから!!
シャドウ「よ、不法投棄達人のホームレス!」
・・・では投稿させていただきます・・・ッ!!
緑「・・・・躊躇えよ・・・」


トルシナス 敵 16歳 

長剣で戦う事を得意とする詩人
恐ろしい程のナルシスト、いつも片手に手鏡装備
自分の体が傷付く事を何よりも恐れ、それを回避するためなら何だってするような、いわゆるアホ
容姿は金髪のロングに丈の長い真っ白な服、ポケットにはいつもメモ帳とペンが入っている
よく現在の状況などを慣用句やことわざを使って言おうとするが、どこかが必ずずれている
剣の腕前はなかなかのもので、それを生かして世間を渡り歩いては、はた迷惑な詩を残して行く
一応貴族出の坊っちゃんで、世間知らずなところが多々ある


え~、こんな感じです!恐れ多いんですが、その、味方でお願いします・・・
シャドウ「お前のキャラが採用されるとでも思っているのか・・・とんでもない身の程知らずだな」
緑「というか、何でお前の出すキャラはギャグ方向に流れそうな奴ばかり何だ?」
紫「コイツの本質がそういう奴だからだろ」
・・・・お褒めの言葉、どうも・・・・

小説の方もかなり複雑になってきましたね!
毎回筋立てがしっかりしてて、読み解くのが楽しいです!
シャドウ「お前には絶対に出来ないものな」
紫「人は自分には無いものに強く憧れるからな」
・・・とにかく、頑張ってくださいね!!
緑「ひどい締め方・・・」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/28 (Sun) 08:30:57

返信遅れてごめんなさい!
ラ「アンタ、いい加減別の挨拶考えなよ」

・・・ですね・・。


旅行行っててPCが使えませんでした。すみません。


ニボシさん


協力してくれるんですか!?
ありがとうございます!
絶対的に採用しますよ!!

では、トルシナスさんお預かりいたします!
えーと・・・最初は敵で後から味方って事で良いんですか?
味方キャラとして採用します!

設定はやや変わってしまうかもしれませんが、そこら辺はご了承ください。


ええ、自分で言うのもなんですが複雑になってますね。

最初はアヴィン達の話の方が明るく、ライト達が暗いと言う設定だったんですがいつの間にか逆転しました。
これから明るくしていこうと思います。

シ「よく言うよ・・・」

・・・キミ、一体どこから出て来たの。


ギャグ系は書こうと思えば書けるんですが、途中からカオスになるのであまりやっていないと言う・・。
なので、ニボシさんは私の憧れですね。


では乱文ですが・・
ラ「同じ締め方やめろって今言ったばかりじゃない」
・・・

コメント有難うございました!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  - 鎌剣

2010/03/28 (Sun) 09:26:39

初めまして、鎌剣と申しております。
貴方様の小説を一から読んでいてこのように遅くなりました・・・。
青「最初から読んでいればこういうことにはならなかったのにな~。」

キャラ募集中ですか!僕なんかが参加させて頂きます!
青「迷惑至極!相手に拒否権を与えてやれ!」


ヴィーチェ 敵 19歳 女

一人称:私
二刀流で短剣と長剣を操る。腕を組むのが癖。
性格:堅苦しく真面目。敵にだって敬語を崩す事は無い。
容姿:灰色の髪を下のほうで縛ったポニーテールで、目は蘇芳色。
服装:山吹色のワイシャツに青碧の上着、ベルトで留めた月白色の七部丈のズボン。

こんな感じでしょうか?
青「こういうのはちゃんと粗大ゴミ回収センターに申し出てから投棄しろよ!」
では!更新頑張ってくださいね!
青「無視すんなや!」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/28 (Sun) 10:02:41

初めまして!コメント有難うございます!


鎌剣さん


二度目ですが初めまして!
私も貴方の小説をずっと読んでまし
ラ「コメントしろ」


ええ、絶賛キャラ募集中です!
と言う事で(どう言うこと?)キャラですね!

ありがとうございます!
では、ヴィーチェさんお預かりいたします!
設定が変わってしまうかもしれませんが、そこら辺はご了承ください。


まだ未熟者ですがお願いします!

ではコメント有難うございました&更新がんばってください!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/29 (Mon) 13:02:47

『ちょっと待ちな!』


ミドナの鋭い声に、ライトとリンクが止まる。

「ミドナ?」
『センス使って周りをよーく確かめてみな』


リンクは言われるがままにセンスを使った。

正面には何もない。
脇にも、後ろにも。


ライトはセンスが使えないから何が何だか分からないらしく、ただボケっと突っ立っていた。


『よーく確かめろよ。下だけじゃなく・・・』
「下?」

狼の姿で上を見る事はあまりない。
それ故に、センスの時は下を見るのが癖となっていた。

『上もな!!』


突如、ミドナが上の大樹の枝に向かって黒い魔力を投げ付けた。

槍のような形へ変わり大樹の枝に突き刺さる。


ミシリ、と音を立てて枝が剥がれ落ちた。


「クク・・・よくやるね」
『・・・誰だ?』
「酷いなぁ、ミドナ。“もう一人のゼルダ姫”だよ」

「!」
『何だと・・!!』
「おい、どう言う事だよ?俺はさっぱり・・・」
「順を追って説明する!」


かつてゼルダ姫が来ていた、黒いローブ。
それと似た様なローブを羽織った・・10代後半ぐらいの少女が立っていた。

もう一人のゼルダ姫。

ゼルダ姫と同じ名前の、ゼルダ・アストラシア。



枝が落ちた時の風で、そのローブが吹き飛ぶ。


「見つけるのに苦労したよ・・・レイン」


その言葉は明らかにライトを指していた。


同じ顔。
同じ髪。
同じ声。

真っ赤な眼。


フィローネの森で、ライトとリンクの衣装が変わった時に、一瞬見えた影。
精霊が言っていた、「もう一人の勇者」。
「もう一つの緑衣を纏いし者を見つけよ」。

「その者、赤き双眸の若者なり」


あれは、この人の事なの?


「命が惜しければ影の結晶石を大人しく渡しな、ミドナ」
『誰が渡すか!』
「クククッ・・・・いつまで強がっていられるんだか。渡した方が身の為だよ?」
『・・・』


この場で動く事が出来ているのはミドナだけだった。
リンクもライトも・・・動けない。


『化け物が・・!!』
「そんな口訊いていいのかな?お前こそ化け物だろう?」
『ワタシは化け物じゃない!!』
「ふん・・・充分化け物だろ。レインみたいな出来損ないを従えてる時点でさ」


その名前が、ライトの中で木霊する。

レインって誰?


「貴女は・・何なの?」

「私はライト」

「違う!ライトは私よ!」

「違う。お前はレインだ」

「違う!」

「違わない」

「違う!」

「違わない。お前はレインなんだよ」
「違う!私はライトよ!」


「それは私の名前だ。いつしかお前が私から奪い取りそのままになっていた名前だ。お前は裏切り者。帝国の裏切り者なんだよ」

「違う・・・私は帝国の人間じゃないわ・・!」

「違わないさ。お前はレイン・ライテルシルト」


頭の中で、違うと否定しても、ライトだと名乗る少女の言葉が「認めろ、認めてしまえ」と鐘の様に響く。


「そして私はゼルダ・アストラシア・ライテルシルト。ライト。<白銀のトライフォース>を、完璧な神の力をこの身に宿すもの」


死刑囚に告げる、死刑宣告の時の様にその声はトワイライトの中で響いた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/30 (Tue) 12:41:29

「・・・ゼルダ」
「!?」


暗い塔の中、冷たいけれど懐かしむ様な声が聞こえて振り返った。


「ゼルダ」
「貴女、は・・・・・」
「帰って来たよ」

思考が付いて行かない。


何で貴女がここにいるの。

貴女は私の前で、死んだはずでしょう?


「レインにね、会って来たんだ。ミドナにもあったよ、後リンクにも。
みんな酷いよね、私の事覚えてないんだ」
「レイン?やはり、彼女は・・・」
「うん。やっぱりレインはね・・気付いてないみたい。みんなあいつの事私だって言うけどさ・・違うんだよ、あれは私じゃない」


そんな顔しないで。

私は貴女の事、ちゃんと覚えてるわ。
貴女だって認められる。

ライト=ゼルダは、貴女しかいないわ。

「何でかな・・・あいつ、気付いてないんだよ。魔王復活の贄として狙われてる事に」
「!」
「このままだと、司書があいつを捕えにやってくる」
「司書が・・」

「私が見つけたのは、帝国の司書トルシナスとヴィーチェ。まだ二人しかいないみたいだけど・・・ヴィーチェからは何となくだけど<魔王の波動>を感じるんだよね」
「それは・・・古の賢者たちが封印した・・?」
「・・・どうやらそうみたいだね。やっぱり、父と母が殺されたのには原因があったんだ。
・・・ガノンドロフはもう復活してる。黄昏、幻想、宵闇。そして暁。全ての世界を利用し、全ての世界を手中に収めたいみたいだよ」


ライトが言っている事、それはつまり。


「・・・奴らはすぐにレインを捕えにやってくる。一応対処はしておいたから・・・」
「そうですか・・」


「あのね、ゼルダ」



「私、約束守れた?」
「!?」

「覚えてるよね、『必ず帰ってくる』って約束。私、ちゃんと帰って来たよ、少し遅くなったけど・・・」


やめて、言わないで!

「遅くなってごめんね」

お願い、言わないで!


貴女を見ると、自分自身を抑えられなくなる。
私が、崩れてしまう。


「・・ゼルダ、泣いてるの?」
「泣いて・・ません」
「でも、顔赤いよ」
「泣いてなんか・・・ありません・・」



この一筋の涙だって、民の為に流すと決めたのに。

どうしていきなり現れて。


貴女は私の事をおいて行ったじゃない。


「ゼルダ、何も一人で抱え込まなくていいんだよ?」


分かってる。分かってるわ。


今まで抑えていた感情が、溢れだす。


「私・・・貴女について行きたかった・・・」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/03/31 (Wed) 22:54:09

「・・・すみません、また、失敗してしまいました」
「構わぬ」
「ですが・・・」
「勇者とやらの力は弱い。余が復活するまで・・あと少しだ」

「お譲さまを使わせていただく事になりますが・・」
「よい。余のヴィーチェならば期待通りの功績を残すだろう。
司書はお前の部下だろう?断らなくてもよい、骨が折れる」
「・・・すみません」
「何を謝る必要がある?」
「・・いえ」




「ヴィーチェ」
「何ですか、ディアフィスさん」
「・・・仕事よ。ハイラル帝国へ行って頂戴。そろそろ、生贄を捕まえないと・・」
「お父様の為に、ですか?」
「・・・ええ」

ごめんなさい、ヴィーチェ・・。
私は、貴方を・・。

「お父様の為ならば」
「・・もしかしたら・・・ハイラル帝国の第一王女が居るかもしれない。その時は・・退きなさい」
「何でですか?」
「・・・あいつはとても強いわ。帝国最強と言っていいかもしれない・・。会ったら逃げるの」
「私は負けません!ディアフィスさんだって分かっているでしょう!?」
「確かに、貴女は強いわ。でもね、あいつは私達では一生敵わない力を持っている。いい?会ったら逃げるの。王女の仲間に手を出してはいけないわ」

「分かり・・ました・・」

蘇芳色の目が、真っ直ぐに見据える。


その目は、淀んでいた。
盲信的に何かを信じている、そんな感じだ。

自らを塞ぐあまり、淀んでしまった。


本来なら綺麗なのに。


「じゃあ、ヴィーチェ・・」
「はい」
「無理は、しないで」




私は、何をすればいいのだろう。
いつも通りに、勇者の邪魔をすればいいのか?


「・・・<冥夜の王女>、<宵闇の姫君>、<暁の代行者>、<黄昏に選ばれし者>・・・様々な呼び名で呼ばれるライトを・・ゼルダ・アストラシアを私は知っている・・。
<かつての世界>でもそうであったように・・・私達は彼女に呼ぶれ、滅び去る者と決まっている・・」


永遠の闇に覆われた世界。

もう二度と光が差し込まぬであろう世界で、薄紫の髪をした女性が呟いた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  - 鎌剣

2010/04/01 (Thu) 09:05:57

おおおおお!
出ていますね!
ヴィーチェの想像通りですよ!

出してくださってありがとうございます。
あ、都合で殺してくださっても構いませんよ!
青「「!」マーク多すぎんだろ!」
これからも更新楽しみにしていますね!
青「だからスルースキル発動すんな!」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/04/01 (Thu) 21:43:43

鎌剣さん


ヴィーチェさんはご期待に添えられたでしょうか!?
お気に召していただけると嬉しいんですが・・。

え!?

ヴィーチェさんは絶対に殺しません!
一応、プロットの中では感動のシーンとしてヴィーチェさんメインの話があるんですが・・・一応お楽しみで(ぇ


では、意味不ですが失礼します!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/04/04 (Sun) 22:30:10

~どうでもいい独り言~

明日で春休みが終わりだー・・・。
中二になるのか・・・。

シ「アンタが中二なんて・・・想像できないね」
・・・全くです。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「さて・・っと・・」


城の城壁を乗り越え、影の領域に呑まれたままの城下町を駆ける。


「どうやら・・・ガノンドロフは私を捕まえようとしてるみたいだね。
ま・・無駄だよ」


ローブを脱ぎ捨て、髪の紐を強く縛る。

「・・・いるね」

この近く。
この近くに。


「ちょっと待ちたまえ!」
「・・・」
「君、今一人かい?よかったら食事でも―――――――」

「・・・私に手を出そうなど、一万年早い」


「くっ・・・やっぱり、君みたいな美人さんはハードルが高いな・・・さっきの子もそうだったが・・」
「・・・さっきの子・・・なるほど。レインか・・」
「君・・レインちゃ・・レインさんと知り合いなのかい!?なぁんだ、早くそう言ってくれたまえよ!」
「・・・誰も、知り合いだなんて言ってないね」

「な、なんだって!・・・ああ、僕の心は砕氷と散り逝く・・」
「それ、言うならば「玉砕と散り逝く」じゃないのか?」
「そうだ、それ!君っていいセンスしてるねぇ!僕のパートナーにならないかい?」

「・・・あ?」
「いやだから、パートナーにって・・」
「ふむ・・。いいぞ、だがな。
―――――私と戦え」

「な」
「お前が勝ったらお前のパートナーになってやろう。私が勝ったら・・お前は私の僕。・・いいだろう?」
「い、いいぞ!や、やってあげようじゃないか!」
「ふん、いいだろう。・・・・言っとくが・・本気のぶつかり合いだからな?」
「・・・勝てそうな気がしないんだ・・・」


互いの武器を抜き、ぎん、とぶつかりあわせる。


「さぁ、殺し合おうじゃないか?」

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/04/06 (Tue) 20:50:38

はぁ、はぁ、と肩で息をしている様な声がする。


床に赤い痕跡が、声の人物が歩くたびに残る。

痕跡はゆっくりと、精霊が居る場所へ進んで居た。


「・・・シン・・いや・・ライトめ・・やって、くれた、な・・」


穿たれた穴。
塞がりかけているが、致命傷であることには変わりない。


やっとの思いで辿り着いた精霊の祭壇には、変わり果てた親友の姿があった。
自分が覚えている姿とは全くかけ離れた女性。

かつて、ゾーラ族の姫君であったルト姫。
今は「水精ネライディア」として世にその名が伝わっている。

「ル・・ト・・・」
『・・イルティス・・なのですか?本当に・・?』

水の精霊である証の赤紫の目が、ゆっくりと、懐かしむように見つめてくる。

「ルト・・・変わった、な・・」
『あれから・・何千年もたっているのですよ?変わってしまって当然でしょう・・?』
「さ、三千年前・・・私が消えてから・・何があった?」
『時の勇者が・・黄昏世界へと消え・・貴方の残留思念に・・』
「そう、か・・やっぱり・・あいつを殺したのは・・私、か・・」
『その様子だと覚えてないみたいですね・・』
「すまん・・何があったか覚えてない・・」


そうですか、と目が伏せられ、その瞳から涙が零れ落ちる。

『風のタクトを・・解放しに来たんですね』
「・・ああ・・もう・・七賢者が精霊になっていても支えきれない世界だからな・・新しいものが必要なんだ・・」
『イルティス・エル・フィルディン。貴女に水の力を授けましょう。どうか・・この力で勇者たちを』
「分かっている・・。準備、は?」
『大丈夫です・・』


ゆっくりと懐から青いオカリナを取り出す。
それは、かつて「時のオカリナ」を呼ばれた物。

辛い体に鞭を打ち、息を吸って吹き始める。

流れ出る旋律は、新しい精霊の命を形作る。
同時に、懐の風のタクトが光を放ち消滅する。


『風のラプソディ・・・』
「新しい精霊の名は・・そう、だな・・その神殿に行った時に・・・」
『・・残りの精霊は?』
「雷と、氷と・・それぐらいの筈だ」
『そう・・・気を、付けて。ハイラル神の御加護が・・貴女にありますように・・・』
「ル、ト・・・」


すぅっと、水柱が現れ飲み込まれる。


祭壇から引き離され、気が付けばシンと交戦した場所へ戻って来ていた。


シンを封印しようとした時、危険を察知したルトが助けてくれたのだ。
だから、祭壇近くに倒れていた。


「アヴィン・・アヴィン!コラ、起きろ!!」
「うわっ!?」


よかった。
無事の様だ。


いつの間にか気絶していた少年は驚いて飛び起き、イルティスを見るなり固まった。

「・・・ぼ・・・ぼう・・」
「?」
「亡霊・・!?」

「違うわ、ボケが!」
「ってぇ!!」


人に向かって亡霊とは何たる暴言。


(やはり・・・力が宿っているな・・)


旅の最初に出会ったころとは違い、キリっとした表情。


一時の安息にすぎないが、イルティスはホッと溜息をついた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/04/11 (Sun) 18:10:15

『昔のハイラルの様に・・・皆が手を取り合い、協力して生きていける世界を・・私は作りたいの』
『本当に・・・』
『だから・・お姉様、協力してくださいますか?』
『・・微力だが・・・お前の姉として協力しよう』




『いつか、本当に平和な世界が来るように』





「―――ティス、イルティス!!」
「っ!」
「どうしたんだよ、そんなにボーっとして」
「いや・・何でも、ない」
「全く、困るぜ。次の封印のシャターヌまでの道のりはアンタしか知らないんだから」
「分かってる」


この少年は、おかしい。


「あのぉ・・イルティスさん」
「ん?」
「何か・・よく分からない内に水精霊呼び出せるようになってたんですけど・・」
「あ、ああ・・・・多分、神殿に入った影響じゃないか?」
「そうなんですか?」
「いや・・すまん、実際よく分からん」
「はぁ・・・」


このジュリオも、おかしい。


前ならおかしいとは感じなかった。
最近なのだ。

おかしいと感じる様になったのは。


やはり、二人にトライフォースが宿っているからなのか?
いや・・アヴィンはともかく、ジュリオまでが持ってるなど・・。


待て。

トライフォースは持ち主にふさわしい人物を見つけて、その人物を宿主とする。
人格はともかく・・。


「結局、あのシンって奴なんだったんだろうな?」
「あれは、前にも話した【黄昏世界】に居る人物の半身・・いや、分身だ」
「それは分かっててもさ・・その「人物」がわかんねぇんだって」
「そうか。そうだったな。では・・ソイツについて少し説明しよう」


休めそうな所を探し、座る。


ゆっくりとソイツについて語りだした。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  雪華

2010/04/19 (Mon) 17:44:49

「ソイツはハイラル王家の血筋だ」
「王家?!」

驚愕を露わに、アヴィンが詰め寄る。

「その「黄昏世界」ってとこでは、まだハイラル王家は続いているのか!」
「そうだ。そしてゼルダ姫もいる。直接会った事はないが・・こちらの世界で語られる「時の女神」ゼルダの血をひいている様だ」

時の女神とは、時のゼルダ姫を指す。
時の勇者を過去へ帰したゼルダ姫は、自らの持つ力に束縛された。

一つの世界でありながら、3つの時間が流れる世界。
それは、世界を半分に割るのと同じ。


それを維持する為には、自らが犠牲とならなければならなかった。
大きすぎる力。それを支える、たった一つのトライフォース。


「彼女が時の女神、と言うのは………」
「そう、厳密に言えば、こっちの世界でのゼルダ姫の血筋は絶たれている」
「じ、じゃあ……今までのゼルダ姫は………」
「時のゼルダに成り代わった者の子孫と言う事になる。正当なハイラル王家など、もはやこの世界に存在しない。
そして、知恵のトライフォースもな。偽物か、それとも時のゼルダと共に消え去ったか………。
【黄昏世界】は過去派生の世界だから正当な血筋が続いているんだろうが………」


実際の所、イルティスもよく分からない。
あっちの世界には、二つの王家があると言う事ぐらいしか。

「ああ、話がずれたな。それで、黄昏世界のソイツは二つに分かれた王家の人間だろう」
「二つ?」
「そう。考えてみろ、あんなでっかい城の中で、二つの勢力がぶつかったらどうなるか・・・」
「………戦争?」
「そうだ、当たりだ。その戦争とやらで、国は二つに分かれもう一つのトライフォースが出来た。お前達も見ただろう?あいつの手に輝く銀色のトライフォースを。
あれは、ハイラル王家との区別を付ける為に、完全なる決別を示したものなのさ。あれは本物だし、第四のトライフォースと言っていい」
「それは、こっちの世界にはないのか!?」
「残念ながら、ない。そもそもこっちの世界にはその「第四」の存在すら伝わっていないのだからな」


がっくりと頭を垂れ、俯くアヴィン。

「………あいつ、滅茶苦茶強かったよな」
「ああ」
「あれが、半身?じゃあ………本体はどれだけ………」
「………さぁな。私にもわからん。………ただ、ソイツも時のゼルダの血を持っている。忘れん事だな」


その言葉を消そうとするかのように、強い風が一陣吹いた。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/04/23 (Fri) 23:15:49

私が見る夢は終わらない


例え世界が滅んでも終わらない。


あいつに復讐してやるまでは




私の夢は、終わらない





先程捕まえようとした奴は自分の相性に合わない。
そう判断したゼルダ・・・ライトはその場を去った。



「ククッ・・・哀れだな」

影の領域をいつまでもうろついている「勇者様御一行」に声をかけた。

『アンタに・・何が分かるってのさ』
「全てさ。なぁ、ミドナ。リディアに会いたくないか?」
『!!―――何でアンタが、その名前を知ってるんだ!!』


ミドナの髪の毛が、一つに束ねられ槍となって襲いかかる。
だが、難なく手で止めると


「待ちなよ。こっちは情報提供してやろうとしてんだ。素直に聞きな・・・光の勇者サマ」
「・・リンク、ここは・・この人の言う通りにしよう」


「レイン」がリンクにそう言い聞かせる。
影の領域では獣と言う存在に変わり果ててしまっている勇者は見るからに哀れだ。


「そうそう、人の言う事はよく聞いときなレイン。お前・・親の事とか知りたいだろう?」
「・・・」
「大人しく私に従いな。お前らの為だ」
『・・どう言う事だ』

ミドナの気配が、さっきよりも鋭くなる。

「死にたくなければって意味さ。お前らには一応貸しがある。私は、借りたものはきっちり返す性格なんでね」
『・・どうだか』


信用できん、とばかりの空気。


「ミドナ、リディアは生きてる。レイン、リンク。イリアに会ったんだろう?記憶を元に戻す術を教えてやる。
勿論、ただではない。こっちの条件も呑んで貰うし、お前らの条件も私は呑むつもりだ。
・・・これでどうだ?契約成立だろう?」
「だろうって言われても」
『・・俺は別に構わないけど』
『アンタら・・何勝手に決めてんだい。飼い主はワタシだろ』


(・・・こういう、感じなのか。いつも・・・。羨ましいと思ってるのか?この私が?・・・そんなわけ、ないだろう・・。
私は一人で良いんだ・・・)


「時間切れ。契約成立だ」
『んなっ・・!!』
「私が持ってる影の結晶石をお前達にくれてやる。だけど、くれてやるのは私が出す条件を呑んでからな!」


ふと、2人と一匹(もとは一人)が怪訝そうな顔をした。


ちりちりとした視線が突き刺さる様にして注がれるが、思いっきり無視。


「まずはゾーラの里へ行け。お前達、ここの土地勘ないから迷いそうだし・・私が直々に案内してやる」
「・・・偉そうに」
『・・・何様のつもりだ』


見事に連携したセリフが聞こえたが、先程と同じように無視した。

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/06/11 (Fri) 16:30:54

『お前、ワタシを騙してるんじゃないよな?』
「そう思いたければそう思えばいいさ。お前の個人的感覚と言うものがある訳だし」


目の前を睨みつける様に進む銀髪の青年は振り返りもせずに言う。
気を悪くしたのか、ミドナは髪を槍のように尖らせ振りまわす。
「ちょ、危ないって!」とレインが叫ぶまで振りまわしていた。


『じゃあ、俺達の事利用してるのか?』
「そう思いたければそう思うといい。どう思うにしろ、お前らも私も、互いの腹の底を探り合ってる仲なのだから」


特に、レインと私はな・・・と本当の名前を取り戻したライトが残酷に言う。
自分と同年代だと思えなくて、リンクは目をそらす。


「ねぇ、」
「何だ」
「私と・・あなたの・・私達のお父さんはどんな人だったの?」
「・・戦に勝つ事に腐心していた、馬鹿な父親だった」
「・・・・」
「人の事を道具としか見て居ない。私も、お前も、ヴァルドさえも・・・道具としか見て居なかった。挙句、ヴァルドを闇の器になんかしやがって・・・」

『闇の・・・器・・・!?』
「・・なんだ、ミドナ。・・まぁ、そりゃそうだろうな。リディアが命懸けで封印したものだ。それが破られるなんて・・有り得ないと思うだろう?」


闇の器。
どこかで聞いた事がある、とリンクは思った。
そう・・・幼い頃に聞いた、神話の中で。


「闇の器の復活には、その血縁者と<光の輝き>の名を持つ者が必要なんだよ。そして、ヴァルドは私とレインの弟、光は私が、輝きはレインが持っている」
「私・・・?」
「そうだ。私か、お前の血が必要となる。だからこうして逃げているのさ。精々、お前も捕まらない様に逃げ回る事だね」
「・・・私の・・。でも、名前を持つ者が揃わないとだめなんでしょ?」
「いや・・皮肉なことに、私達は姉妹、そして光の輝きの名を分けて生まれたものだ。
手っ取り早く言うと、私達が捕まった時点でアウトなんだよ」


自嘲してるのか、それとも運命から逃れようとしているのか。


ライトの言葉はその場に居た者達に重く伸しかかり沈黙を与えた。


「ほら、さっさと歩け。ゾーラの里に何かあるんだ。それ解決しないと、ラネールの所へはいけないぞ」
『わ・・分かってるよ』


反抗気味にリンクは呟き。
かなり先を歩いているライトの後を追う様に走った。
無言でレインもそれに続き。


只残されたミドナは、


「リディア・・・・ワタシは・・・」


と拳をきつく握りしめながら言った。






――――――――――――――――――――――――――――
遅いけど復活!
最近FFに浮気(ぉぃ!)しててなかなか来れませんでした。
最近はFFも落ち着いてきたのでもう顔を出せます。
まぁ・・・読んでくれていた方が居るとは思いませんが(←後ろ向きだな、オイ

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  - 勇珠

2010/06/13 (Sun) 16:54:25

は、あ、その初めまして!
貴方様の小説ずっと見てました!
それで、その、キャラ投稿なんかさせてもらってもよろしいでしょうか?
とりあえずおいておきます!

ヴェッラ・セリファリタル 男 15歳 敵

一人称:僕
性格:温和で和み役。手先が器用で裁縫針などを常備している。
時によってはそれすらも武器になる。基本的には小刀。
年上には敬語だが年下などにはちょっとだけ崩れる。
例「ちょっと時間空いてるかな?相談したい事があるんだ~。」
容姿:ワインレッドの目に銀灰色の髪。小さいが結い上げてある。
服装:黒い半袖のローブで、中も黒い七部丈。ズボンは長ズボンでこれも黒。

こんなんです!
どっか足りないところがあったら言ってください!
更新頑張ってくださいね!

Re: ゼルダの伝説 時刻の抱擁 未来の痕跡  風空

2010/06/13 (Sun) 20:58:09

初めまして!こんなつまらない小説にコメント、そしてキャラありがとうございます!


こんな・・・こんな素敵なキャラ、貰っていいのですか!?
勿論、使わせていただきますとも!(←ゴ○ベーザか!

登場は少しばかり遅れてしまうかもしれませんが・・それでもよろしいですか?
なるべく早く登場させます!


ありがとうございました!

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  風空

2010/08/10 (Tue) 17:15:21

なんか凄い久しぶりの更新の様な気が・・。
前回の更新が6月って・・どんだけ別ジャンルに浮気してたんだ私は・・(汗
そういえば、時のオカリナが3DDSでリメイクされるそうです。新作FEとかパルテナの鏡とか、Wiiの新作ゼルダとか・・。
任天堂で破産しそうだ・・。








「なぜそのような事を・・・」


眼前の大きな玉座に座る人物に対して、ディアフィスは声を静かに上げる。

「レイン様を捕えた所で彼女には何もできない。光の精霊から偽りの力を与えられているにすぎないのですよ!?」
「それでもよい。余の復活まで時間がもう少ない・・・。完全体で降臨したいのだ、奴らに復讐する為に」
「しかし・・・」


ディアフィスは口ごもりながら<主>を見上げる。


「有無は言わせぬ。分かったのなら、ザントに早く指令を出せ・・・前にも言った通り、“失敗したら命はないと思え”」
「・・・はい」




「これが目標?・・ふーん・・・」
「なんです?興味なさそうな顔で・・・」
「だってさ、考えてみてよ。どう見たってこの人、非力そうじゃん」
「それはそうですけど・・・」


仕事は仕事なんだからあまり文句を言うな。


無言の圧力で少女・・ヴィーチェから睨まれる。
睨まれた相手・ヴェッラはふいっと顔を背けた。
普段年上に対して敬語の彼がここまで崩れる相手は恐らくヴィーチェだけ。


「・・・勇者に護られてばっかりの奴なんか連れて来て・・何の役に立つって言うんだか・・」


呆れている様にヴェッラはリストを見ながら呟く。
「勇者と戦う事になんか興味ないし」と内心思う。
―――――――それにここに居ればまたあの方に会えるかもしれないし・・・。


「帝国の王族が我らの意志に賛同した・・その事実が重要なのですよ。
生き残った帝国の民も少なからず彼女について来るでしょう」
「ライト様ならともかく、レイン様にそれほどのカリスマ性はないよ。上手く口車に乗せて操った所で、何のメリットがあるって言うのさ?
ライト様から見ればただの裏切り者なんだよ」


<主様>もモノ好きだね。


「お父様を馬鹿にしてるの?」


一段と低くなった声に、げっとヴェッラは冷や汗をかく。


「いや別に?バカにしてる訳じゃないよ・・、ただこんな行動しても無意味なんじゃないかと思ってさ・・」
「無意味?・・なぜです?」
「・・・ああ、ヴィーチェはライト様にあった事ないんだよね・・・」
「・・ライト様?」
「そう、帝国の第一王女・・。優しい人でさ、国民からも好かれていたんだ。あの事件以来・・人が変わってしまわれたけどね・・・」


もう10年以上前の事だ。
今、あの方はどうしているのやら。

「帝国にある「神の業を持つトライフォース」って知ってるだろ?王国と対になる様に残された」
「ええ・・知ってます。お父様でさえ触れる事が出来なかったと・・」
「人には触れる事が出来ないのさ。古の・・時の勇者・・だっけ?あれの血を引いて居ないとだめらしいよ」
「じゃあ・・・」
「察しの通り。もう最高適合者が見つかり、その人の手にあるのさ。今更レイン様を捕えてトライフォースを宿らせても遅い・・・。遅いんだよ」


神の業を持つトライフォースはもう、ライト様に宿ってるんだからね。





どうでもいい後書き

キャ、キャラ崩壊半端ない・・・!!
その上意味分からん・・!

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  雪華

2013/03/31 (Sun) 21:17:30

「待て!!」


光の世界へと戻った城下町を駆け抜ける光の勇者さま御一行に声をかけた。

「え?」
『ライトさん?』

大きく目を見開いて、驚くレインとリンク(ケモノ)

二人の前には魔力で出来た槍が突き刺さっていた。


「ゼルダ……ゼルダ姫に会いに行くんだろう?ミドナを……ほら、その、助ける為に」
「呼び捨て、なの?ゼルダ姫の事」
「あ、ああ。私と彼女は昔からの知り合いだから」

ふと、レインの脳裏をよぎったのはゼルダ姫との会話。
『侵入者は子供だったのです』、と。

「お前達には借りがあるからな。借りたものは返す主義なんでね」
『あのライトさん』

「呼び捨てで構わないよ」
『前にも言ってた、<借り>ってなんだ?』
「借りは……借りだ」


どこか遠い目をして、トアル村のほうを見た。
哀しそうな目で。

その時、ライトの瞳が蒼に戻ったのだ。

「…………私も貴方の事好きだから」
『え?』
「いや……何でもない。早くゼルダに会いに行こう」

雨が降り注ぐ町の、影の結界に覆われた城を、目指した。








「ゼルダ……戻すこと出来る?」
「……いいえ」
「そうか………」


ゼルダ曰く、リンクとミドナにかけられた呪いは複雑で、ゼルダにさえ解けないという。

『そんな……姫さん、こいつだけでも助けてやってくれよ……、お願いだから……』


「ミドナ……」


誰もが黙り、諦め黙りかけた時。
ライトが口を開いた。

「方法なら、ある。けどそれは……」

ゼルダを。

「ゼルダを消してしまう」
『そんな……』

リンクが呟いた。

そんなことって……。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/05/05 (Mon) 18:02:50

修正です。

やっぱり、6っか月ちょいかかります。


長く開けて申し訳ありません。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/06/15 (Sun) 21:16:19

『母上!母上!…父上、一体何を……!?御乱心なされたのか!!!!』


『ライト、何をする!?』
『ごめんなさい父上、この女、母上の仇ですもの。だから殺しちゃった』


血に塗れた両手でリンクとヴァルドに触る資格など、ない。


『ゼ…・・・・ルダ……今…約束・・・・・・・する、よ。
必ず、迎えに……くる。
だから……』

『ラ・・・・・・・ライト、頼む。
トライフォースを…守って……くれ……』


「……国民を私を裏切った。
父は、私が自ら手を下した」
『なんだよ、急に?』

ミドナが顔を歪める。
暑くて、機嫌が悪いのだ―――――さくさく、と砂を踏む音が広大な砂漠に木霊する。


ゲルド砂漠。

かつて、魔王ガノンドロフが誕生した地としても知られている。


「…私の父親は、ガノンに精神を乗っ取られておかしくなっていた。
そして、最後は……私に『殺してくれ』、と」


あれで良かったんだ。

「……王位は私の物になった。けど、一部の国民はそれを許さなかった。
あの時、何が起こったのか分からない。気付いた時は既に、帝国、国はガレキの山と化していた。……トライフォースと結びついた私の力で。
俗に言う、10年前の帝国崩壊事件だ。
……だから、私は影の結晶石を集めてるのさ」

自分の意思でやったとは言え、運命はあまりにも残酷すぎる。
リンクはライトのやろうとしてることが何となくわかったような気がした。

「……人を……」
「……そんなの、ロスト・ミスティックを使えばいいわ」
「それでもダメだ!!ひとを・・・人を甦らせるなんて……!!」
「わかってるわよ!!死んだ人は甦らない、それはこの世界の真理よ!!甦らせるのは神への冒涜だ、でも、神なんてどこにいる!?この世のどこにもいないじゃない!!
…あんた達、心の弱い人間が造り上げた只の偶像じゃない!」


リンクにはライトが、今まで抑えてきた感情をこちら側にぶつけているように見えた。
ライトの言ってる事は、正しい。
でも、何か間違ってる。


「もういいわ。
私は私の方法でやるから。
……あんた達は好きにやれば?」

赤い光に包まれ、ライトが消え去っていく。

『………移送方陣!?』


ミドナが目を見開く。


『……ロスト・ミスティック!?
な、なんで普通の人間が………?あれはリディアが封印した筈。何故……?』
「…ロスト・ミスティック?」
『…んん?ああ、失われた古代の魔法の事さ。
使える人間はもういないと言われていたけど、どうやらライトだけ使えるらしい。
……となると、あの女、ロスト・テクノロジーも使えるという事になる。移送方陣まで使えるとなると……厄介な事になってきたぞ……』


ミドナがひっそりと呟く。


『あの女、まさか………』

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/08/11 (Mon) 18:27:39

ロスト・ミスティック。

それは太古の技術であると共に、強大な魔力を持った術者でさえ扱えぬ、禁呪である。

只二人・・・使える者がいた。


時の勇者の傍らに常に居た「魂の勇者」、もう一人は「白き魔女」ゲルド。

どちらも既にこの世に亡く、現在では二人の遺伝子を受け継ぐものがどちらの世界に一人づついるのみである。

一人は死亡、もう一人は人殺しを行ったとして長い間行方不明とされていた。

「魂の勇者」の子孫―――――――つまり、当代ゼルダ王女――――――ライトのことを指す。
ロスト・ミスティックを使えるのはライトのみで、他の兄妹二人は使えない。
これは、隔世遺伝とも言えるのだが、先代ゼルダ王女と当代ゼルダ王女は似通っている部分がある。

「知恵」のトライフォースに成り代わる「英知」のトライフォースが宿ったのも、何かの偶然ではないだろう。

トライフォースは人を選ぶ。
知恵と英知はゼルダとライト、勇気と真理はリンクとヴァルド、力はガノンドロフとアヴィン。
不明なのは、幻想世界のトライフォース。
知恵と勇気、どちらも行方不明である。


知恵はジュリオに宿っているのではないか、と予測されているがその証が何処にも無い。
勇気は時の勇者が過去へ消えたと同時に消え去ったのか、それとももう適合者が見つかってそちらに宿ってしまっているか―――――どちらかである。

ロスト・ミスティックとトライフォース。

関連性がないように見えて深いつながりを持つこの二つは、太古に失われた、という共通点がある。
先代ゼルダがロスト・ミスティックを扱えた、と言うのはトライフォースによって増幅された類い稀なる魔力が、そのまま当代ゼルダ―――ライトにそのまま受け継がれたからだろう。


ではもう一つはどこに行ったのか?

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/08/20 (Wed) 18:04:31

「待ちなさい」

街道を歩くアヴィン達に盗賊身なりの少女が声をかけた。

「・・・あんだよ?」
「・・・貴方たちが持っている・・・・・いえ、荷物を渡しなさい。そうすれば、命だけは助けてあげます」
「・・・人の物を捕って何が楽しい?」


イルティスが威圧的に黒髪の少女に向かって言い放つ。
少女はワザとらしく溜息を付くと、

「・・・・・・荷物を寄越しなさいと言ってるんです。
さもないと・・・・・・力付くで奪いますよ」

少女が手を上げる。
すると、森の奥から無数の狼が姿を現した。

「貴方たち」

少女が手を振り下ろすと、狼たちがアヴィンとジュリオに近づきだした。

「こいつ・・・ただの追剥じゃない・・・」

それに――――――――――この女どこかで見たことがある。

「・・・・・・王都で指名手配されてた女盗賊ルティス!」


ルティスと呼ばれた少女は顔つきを険しくすると、数歩後ずさった。

イルティスは何かを見つめると、

「・・・アヴィン、ジュリオ!」
「?」
「あの女の手、見ろ!」


ルティスがハッとすると手の甲を隠し、後ずさる。


「あれは、勇気のトライフォース・・・!?」

森の奥へと走り去るルティス。

「あっ、待てよ!」

そんなルティスを追いかけるアヴィンを呆れるジュリオとイルティス。

「全く、・・・・綺麗な人見かけるとすぐに鼻の下伸ばすんだから・・・・・アヴィンは」
「どっかの誰かさんもそうだと思うが?」
「・・・・・誰の事言ってんですか?」
「・・・・・・」


ふっと笑みを浮かべると、イルティスは小さく「お前の事だよ」と呟いた。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/08/24 (Sun) 22:03:53

「ちょっとな、リンク。大事な話があるんじゃが」
「・・・?」

まだリンクが村で牧童として働いていた頃。
何も知らずに生きていたあの頃。


「・・・お前を連れてきたのは、アイツらかも知れん」
「俺を?」
「・・・・・お前、天涯孤独の身と言ったじゃろう?
実は、お前さんには年の離れた兄弟が居ってな・・・。
その男がお前をこの村に連れてきた。
・・・・・その男もまた、『リンク』と言っていた」

自分が覚えている記憶とはかけ離れた記憶。
この頃は村にライトなんて子は居なかった筈。
・・・・・居なかった?
何でそう思う?
俺の隣にはいつもいたじゃないか。
少し捻くれた、それで実直なあの子が――――――――。


「っ!!」


どうして忘れていたんだろう。
あんなに大切だったのに。


「それとな、もう一つ」
「はい?」
「ライトがこの村に来た時の事だ」


あの日は何百年に一度かの大嵐の夜。
家の前で、只ならぬ気配を感じて、ワシは家を出た。
するとな、家の前に仔馬ながらに佇まいが立派な馬が立っておった。

その馬はまるでワシに「ついてこい」と言わんばかりに踵を返すと、一目散にラトアーヌの森の泉まで走って行った。
後を付いていくとな、それは美しい少年と血を流した少女が居った。
恐らく、森のケモノにでもやられたのじゃろう。

「・・・で?」
「・・・で?とはなんじゃ、で?とは。
さては・・・・」
「ち、違いますよ!!
ボウさん、俺はですね――――――――」

慌てて言い返すリンク。
一方のボウは「・・・・・青春。青春」とにやついていた。


「・・・・・話に戻るがな。
その少年は『シーク』と言った」
「・・・・・シーク?」
「自身をシーカー族の生き残りだ、と言った」
「・・・シーカー族?・・・嘘でしょう?
あの太古に滅んだと言われる?」
「ワシも嘘だと思った。大昔に滅んだ一族が生きてる筈がない。
そもそも時の勇者に時代に行き、時の勇者と共に消えた筈だ」


その少年は、「この子を頼む」と言い残して、ワシの前から『消えた』。
保護した少女は自身の名前以外なんも、覚えとらんかった。
イリアが喜ぶと思って一人暮らしのお前と同棲させたのじゃが・・・・・・。
何分、その子は口が悪くての。

その子は自分の事を『ライト』と名乗った。
それ以外、何もしゃべらん。

記憶を失い、家族を失い・・・人生辛いことだらけだ、と言っておったが・・・。

そのライトがあそこまで回復するとは・・・天は彼女を見離してなどいなかった。




「・・・・で、村長。どこが<大事な話>なんですか?」
「ん?・・・いや、ワシの思い出話」





―――――――――スコッ。


・・・こけた。





「なんで忘れてたんだろう・・・・・・」


あんなに大切だったのに。


閑散とした自分の部屋。
もう一人、ずっと前に誰かが住んでいた、気がした。
それなのに、俺は、何で。


「・・・っ・・・レイン、悪い」
「・・・何?」
「・・・俺、ゼルダとライトを探しに行くよ」


やっと分かった。
誰かを『生き返らせる』、その意味が。

「アイツが生き返らせようとしてるのは・・・・・・俺自身だ」
「・・・え?」
「ここからは俺一人で行かなくちゃならない。
お前とは・・・ここでお別れだ」


頼むからそんな目で見ないでくれよ。
俺だって辛いんだ。
でも・・・お前を連れてったら、きっと・・・。


「・・・・・・しょうがないわね」
「・・・」
「ライトは私の事嫌ってるでしょうし・・・、行ったらきっと「裏切り者が」ぐらい普通に罵られるでしょうね。
私は覚えていないけど・・・・・・10年前に帝国を裏切ってる。
私は自分が何者なのか知りたい。真実を知りたいのは私も一緒。だから・・・止めないわ。
・・・いってらっしゃい、リンク」

「ミドナ」
『あいよ』


リンクの姿が消えていく。
消え様にリンクが心配そうに振り返った。


レインの後ろに誰かいそうな気がして。
その予感は的中する。


「・・・・レイン?」


彼女が振り返ると、そこには銀髪の少年が立っていた。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/08/26 (Tue) 16:46:39

ライトによく似た顔立ちの少年。
位が高いことを伺わせる高貴な服。
そして・・・何よりも目に付いたのは、


左手の銀色の痣・・・。


「て、帝国のトライ・・・!?」

サッと少年の手により、レインの口が塞がれる。

「・・・こんな状況でそんな事言っちゃダメだよ、レイン。
・・・どうやら外野もいるようだしね・・・」

出てきなよ、と少年が言うと少年少女が出てきた。

「・・・・・レイン、君は下がってるんだ。
こんな雑魚、僕一人で十分だ・・・」
「・・・雑魚ですって?・・・自信過剰も・・・・・!」

「やめろヴィーチェ!ヴァルド様に逆らったら命の保証はないぞ!」


「ヴァルド・・・・・・?」


『人の事を道具としか見て居ない。私も、お前も、ヴァルドさえも・・・道具としか見て居なかった。挙句、ヴァルドを闇の器になんかしやがって・・・』


「きゃっ・・・・・・・!」


ヴァルドが手を突き出し、その手から強力な魔力が放たれる。
その戦闘スタイルをレインはどこかで見たことがある。

「こいつらの狙いは僕らのトライフォースだ!
・・・・・・・こんな時姉上がいらっしゃったら・・・・・」
「・・・・・・姉上?
・・・・・ライトの事?」


「・・・ライト様?」


少年が面食らったような顔で立ち尽くす。

「君・・・・・・・もしかして・・ヴェッラ?
なぜ・・・なぜ闇なんかに身を投じた?」
「・・・・・それは」

「か、彼女は帝国の生き残りに恨まれています・・・・。
ヴェッラはその代表として・・・・・・」

「・・・・君さぁ、嘘も休み休みにしなよ」
「・・・・嘘?」
「姉上が民に恨まれてる?生き残り?
僕達3人と姉上以外生き残りはいない筈だけど?」
「そっ、そんな筈は・・・・・だって、お父様が・・・・」
「黙りなよ、人殺し風情が。アンタはガノンドロフの娘なんかじゃないんだよ。いいように利用されてるだけさ。
姉上はさぁ、アンタを地獄に叩き落としてやるって言ってたよ」


レインには見えていた。
ヴァルドに纏わりつく不可解な影を。
それにさっきの波動と言い、あれは影の結晶石の物だ。

”ヴァルドは影の結晶石を飲み込んでいる”

彼は体内に結晶石を持っている。

この男に関わったら本気でまずい。


逃げ出そうとした、その時――――――――――、


「どこ行くの、レイン?」

強く腕を掴まれ、逃げられない。
振り返ると、悍ましいほど冷たい笑みを浮かべたヴァルドがいた。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/08/29 (Fri) 16:26:01

『俺もライトの事は好きだよ。
でもなー、そういう好きじゃないらしいんだ。
わっかんないよな、男と女で何が違うのかさ』


「・・・・・それが、男と女の差だ」


森の賢者・サリアの手当て大分体が回復したライトは、雪荒ぶ地・・・スノーピークに立っていた。

自分の記憶が正しければ、ここにも鏡の欠片があったはずだ。


ふと彼女は何かを感じて顔を上げる。


「・・・来たか」

彼女は振り返らずに、背後の青年に声をかける。

「リンク、お前は私が持っていないものをお前は持っていた。
家族との平和・・・私がどんなに望んでも手に入らないものをお前は持っていた」
「・・・」

ライトは振り返って哀しく微笑み、


「・・・いつ頃からだろうか。
私はお前を憎み始めていた。
・・・・・・だけど、私はお前と一緒じゃなきゃ、いられない。
強いだなんて抜かしておいて・・・本当は、一番弱いんだ・・・」
「そんな・・・そんな事ない。
俺はお前の魔法で何度も助けられた。
弱くなんてなかったさ!」
「・・・ありがとう。かつてのお前も、そういってくれたよ」
「かつての俺・・・・・・?」

「・・・この世界の人間は私以外"みんな死んでる”んだ。
ヴァルドもレインもイリアも・・・みんな。
私を含めた3人はこの世界が眠るまで私の世界は目覚めない。
私はヴァルドとお前とゼルダさえ目覚めればそれでいい・・・・・・」
「レインは・・・?」
「・・・あんな奴どうだっていい」
「どうでもいいって!!
お前の妹なんだぞ!?どうでもいい訳ないだろ!?」
「・・・どうでもいいのよ!あの子と私は違う・・・。
違うのよ!」


――――――――――ぱんっ。



軽い音と共に頬に熱い衝撃が襲ってくる。


「叩いたわね・・・この私をッ!!」


「さっき・・・・・・この世界は死んでいる、って言ったな・・・。
それはどういう意味だ?」
「・・・・・」
「どういう事なんだ・・・」
「この世界は私の見ている夢だ。
リンクやゼルダの見ている夢も・・・異次元での世界を創っている。
お前達は私の夢の中の住人だ。・・・実態を持たない、アストラル体でしかない。
・・・・・現実世界の私が目覚めればこの世界は・・・・・・・」

消滅する。


「お前たちも、ゼルダも、ミドナも。
・・・≪別の世界≫の勇者達も。
・・・・・・・ガノン達も」


みんなまとめて消滅する。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/09/08 (Mon) 16:17:24

懐から青いオカリナを取り出し、高く吹く。

(あの女のは偽物だ・・・・・・。
過去派生のこちらが本物だ)


蒼いオカリナはかつて「時のオカリナ」と呼ばれた代物。


「・・・・・何をする気だ?」
「彼を呼ぶのよ」
「彼?」
「シーク」
「・・・シーク?」
「要するに、貴方一人じゃ、心許ない。
だから、援軍を呼ぶの。
お分かり?」
「・・・・・・俺じゃ、足で纏って訳か?」
「・・・・・・そうじゃないけど」







「・・・・やぁ、リンク」

森の聖域にある墓石に彼は手を合わせた。


「ライト!
・・・居るんだろ?」

代わりに出てきたのは蒼い妖精だった。

『・・・ライトなら居ないヨ』
「・・・嘘だね。彼女はここに居る。
ここに居なきゃおかしいよ」
『だから、居ないんだってば!』
「もういいよ・・・ナビィ」

時の神殿から出てきたのは先代ゼルダ―――――――時の勇者の片割れだった。


「久しぶりだね”魂の勇者”サマ」
「・・・・・・」

険しい顔で彼―――――――シークを睨みつけるライトはさながら形相が鬼のようだ。

『アンタ・・・!!』
「・・・単刀直入に行こう。
リンクとゼルダを殺したのは―――――――」


君だね?


「・・・・全部、この世界の為よ」


もう一つの世界で語られる私は悪役でしょう?
『裏切り者のもう一人の勇者』。


「・・・私は『何でも出来る』リンクが羨ましかった。
リンクからゼルダを奪えば、リンクは私の傍にいてくれる・・・と思って・・・。
だけど、リンクは私に刃を向けてきた。
リンクを殺したのは、イルティスじゃない、私だ」
「・・・・・・」
「あの時の感情に任せて・・・・・」


「・・・帝国を滅ぼしたのは、私の所為だ。
彼女だけの所為じゃない・・・・・」


「・・・帝国から彼女を攫ったのは・・・」
「・・・そうだ、私だ」
「・・やっぱりね」
「・・・6歳の誕生日の夜、あの子を帝国から、ここ迷いの森へ置いてったのは私だ。
・・・いずれ、あの子達はここを訪れるだろう。
育ての親とは言え、あの子には酷い事をした」

「・・・育ての親?」
「あの子が独り立ちできるまで、ここで私が育てた」
「あの子の親、子供を捕られたショックで自殺したらしいよ」
「!!」

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/09/14 (Sun) 23:01:14

皆様、こんばんは。


この度、ちょっとした事情で小説を更新できなくなりました。
更新できるのは数週間に一度、になります。

ご迷惑をおかけして申し訳ありありません。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2014/12/20 (Sat) 16:18:10

「・・・おい」
「・・・・!!」


ばっとルティスは振り替えった。
そこには、心配そうに覗き込んでくるアヴィンの顔。

「・・・アンタのその手の痣、トライフォースの形だ」
「・・・この痣は、親から大切な痣だ、と言われたわ」
「親?」
「アンビッシュ国王の、アルフレッドから」
(・・・アルフレッド!?)


それは自分の親の名前だ。


「父は私を捨てたのよ。・・・双子の弟の方が王位に相応しいって、ね」
「・・・その、弟の名は?」
「・・・アヴィン・ティラスイール」
「!?」
「・・・私はルティス・ティラスイ―ル」
「ル・・・・・ティス・・・!?」

父から聞いたことがある。
「お前の生き別れた双子の姉だ」、と

ルティスはアヴィンの方を振り返ると、ハッとした。


「ア・・・ヴィン・・・・」


そう、まさに自分の前にいるのは「自分の弟」だった。

今まで気が付かなかったとはいえ。充てのない旅の空でその名は聞いていた。
旅の途中で拾った義理の弟・ルカと共に。


自分と同じ顔。
自分と同じ朱い布の牧方。
ただ唯一違うのは髪と目の色。


「アンタ・・・・・・本当に俺の姉なのか?」

その声が虚ろへ飛んでいたルティスを現実へと引き戻す。

「・・・アヴィン・・・・・・」


(何だかよくわからねーけど、綺麗な人だな)


12年間、逢えなかったティラスイール王家姉弟の再会だった。


「ルティス・・・だっけか。お前、怪我してるじゃないか」
「・・・え?」
「ほら、膝の傷」
「え・・・・ああ、この傷ね。
これぐらいどうってことないわ。・・・・・・レア」

光がルティスを取り囲んだと思うと、あれ程の傷が癒えていた。


「・・・私。白・黒魔法と共に精霊魔法も得意なの。
各地の精霊と、契約したわ」
「ホ・・・ホントか?」
「ええ、そうよ。
水精霊ネライディア、火精霊アリマ―ジュ、土精霊グランディス、風精霊ラファーリア、雷精霊リュミエール・・・・」
「す、すげぇ・・・」
「四大精霊も召喚できるわ。
水のスコティア、風のイドゥン、地のネフティス、火のザール。それに、ロスト・ミスティックも、ね。
全て使えるわ」


姉(と思しき少女)が驚く様子もなく様子もなく行った。

さすがは、勇気のトライフォースの持ち主。


・・・・・・決めた。
決めたったら、決めた。


「あ、あのさ!」
「何?」
「俺たちの旅に・・・・・付いてきてくれ・・・ないか?」

ダメ元で言ってみた。


暫く考えていてルティスだったが、


「・・・・・・いいわよ」
「・・・え!?」
「だから、行くって言ってるの。
貴方の相棒、ジュリオ君は「知恵のトライフォース」を持ってるんでしょ」


目の前の黒髪黒目の少女・ルティスがあっさりと言い放った。

「・・・え!?」
「そんな事、共鳴でわかるわよ」


共鳴・・・・・?

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  雪華

2015/03/23 (Mon) 19:57:11

ヴァルドはレインを掴んでいた手を放すと、懐から取り出した短剣で、


「・・・誰から殺そうかな?
最も良い生き血を持ってるのは誰かな?」

ヴァルドの持っている短剣が紅く妖しく輝く。


「それとも、姉上の邪魔をする奴から消してして行こうか?」

品定めをするようにヴァルドの目が紅く輝く。
その時ヴィーチェの目から光が消えた。


「ヴァルド・・・彼女に何をしたの!?」
「記憶を飛ばしただけさ。これで僕らの邪魔をする奴はいなくなった」

ヴァルドはにやりと笑い、

「ヴァルド様・・・」
「汚れた闇になんかに落ちた裏切り者が、軽々しく僕の名を呼ぶな!」


ヴァルドは鬼のような形相になると、急にヴィーチェの首筋に短剣を突きつけ、


「・・・お遊びは其処まで。
大人しくしてないと、君の大事なお人形に傷がつくよ?
それでも良いのかなぁ?」

悪戯っ子の様な笑みを浮かべると、ヴァルドはヴィーチェの首筋に更に短剣を突きつける。

「ヴァルド様、やめてください!」


ヴェッラは叫ぶが、ヴァルドは嗤うだけ。


「返して欲しければ、ガノンドロフの情報を全部話しな」

ヴァルドの纏う雰囲気が変わった。

恐ろしい形相でヴェッラを睨み付けても、口を割らないヴェッラを見てヴァルドは、まるで玩具に飽きた子供のようにヴィーチェを突き飛ばすと、

「・・・・・あっそ。そんなに大切なら返してやるよ」
「ヴァルド様!!どうか僕の話をーーーー」

まるでヴェッラの心を読んだかのように、手を突き出すとヴェッラが何かを叫ぶ前に転移の魔法で飛ばす。

「・・・これで邪魔者はいなくなったね」

ヴァルドはレインに向き直ると、

「今度は君の話をしようじゃないか?」

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  雪華

2015/04/08 (Wed) 20:10:13

ルティスによると『共鳴』とは、トライフォースを持つ者同士が『無意識』にのうちに共鳴してしてしまう現象らしい。

「・・・んで?」
「で?って何よ、で?って」
「その『共鳴』って奴が分かんねぇんだよ。俺、アンタみたいに頭良くないし」
「・・・」

本にも書いてなかったしさー、と欠伸しながらアヴィンをルティスは冷めた目で見る。

「ジュリオ君やイルティスさんあたりなら知ってるんじゃないの?」
「・・・え?」
「だから、ジュリオ君あたりなら知ってんじゃないのかって」


森の出口付近でアヴィンたちを探しに来た(ジュリオは本気で心配していたが、イルティスは何故か不気味に笑って居た)

「なんだアヴィン。その子ナンパして来たのか?」
「ち、ちちちちち違うっての!この・・・じゃない、ルティスは俺の姉貴だって!」
「あれ?そういえば、アヴィン前に言ってたよね?双子の姉がいるって」

ルティスがアヴィンの後ろにとっさに隠れる。
その顔は酷く赤面し、何故かイルティスの顔色を窺っているように見えた。

そんな様子のルティスに何かイルティスが気付いたのか、イルティスが顔つきを険しくする。

「・・・お前、ルティスだな?」
「・・・え、ええ・・・」
「噂通りならお前はハイリア語を読める筈だ。
・・・・・試しにこれを読んでみろ」

イルティスが懐から出したのは、(なんだか奇妙な文字が書かれていた)石版だった。
ルティスはそれを手に取ると、一瞬顔を顰め、


「どうしたんだよ?」
「・・・・別に何でもないわ。ちょっと待って居て」


ルティスは一瞬目を瞑り、石版を読みだした。

『初めに光と闇があった。光のバルドゥスと闇のオクトゥム。
相反しながらも不可分の存在。
その永き相互の果て、大地と精霊ドゥルガーが現れた』

それはティラスイール王家に伝わる世界創造の神話だった。
何故、イルティスがこれを知っている?

『精霊は大地に命を吹き込み、最後に人を創った。
光と闇、精霊の加護の許、人は繁栄を続けていった。
しかし人は幼く不完全な存在。
自らの益を求め、過度に大きくなるその営みは、大地に混沌をもたらし、神々の秩序をも歪めてしまった』


ルティスは其処で一旦、大きく息をつくと、

「どうした?」
「・・・な、何でもないわ・・・」


ルティスはもう一度目を瞑ると、

『光は世界の維持を望み、闇は世界の破壊と再生を求めた。
そして、精霊の調停も虚しく、両神は争いバルドゥスがオクトゥムを封じることで決着を見た。
しかし、光と闇は不可分の存在。
半身を封じたことで、バルドゥスの身体は砕け散り、やがてドゥルガーの眷属も眠りについた・・・』

ルティスの顔がどんどん青ざめていく。
石版の魔力が大きすぎたのだ。

『それから20年余り。神々の眠る地、エル・フィルディンとティラスイールにアストラルから二人の魔女が降り立った。
魔女達の名はイルティスとゲルド。
二人は神と人について人々に語った』

突然、イルティスがルティスの代わりに喋り出し、アヴィンとジュリオは驚愕の表情を浮かべる。

「イルティスさん・・・ハイリア語読めるんですか!?」
「ああ、少しはな。言っただろう?私は半分魔女だと。
これくらい、ある程度は読める」


そうならそうって最初から言えよ。
アヴィンの恨めしい視線がイルティスに向かう。

だが、イルティスは普通に無視すると、


『運命に囚われてはならない、大地から飛び立たなければならない、だがそんな二人の忠告も虚しく、人々は再び争い大地は枯渇し、人々は神々と言う名の呪縛に囚われ、未だに巣立ちを迎える事無く・・・』


そこでイルティスは言葉を切った。

「どうしたんだよ?」
「見ろ、ここで文字が途切れている」
「あ・・・本当だ」
「そういえば、さっきの小娘はどうした?
さっきから、気配が感じられんが」
「あ、ルティスならそこで寝てます」

初対面に等しいのに、もう呼び捨てかよ。

アヴィンは白魔法でルティスの気を取り戻そうと、ルティスの胸に手を当てているジュリオを見やった。

「ジュリオ、お前魔法が使えるのか?」
「ええ、少しだけなら」

やはり、<知恵のトライフォース>が宿っているからなのか?

魔力耐性のない人間が魔法が使えるなど・・・。


「あ、俺も黒魔法使えるぜ!・・・そこのルティスも使えるって言ってたな」

イルティスは驚愕した。


普通の人間が使える、だと・・・?

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  雪華

2015/04/12 (Sun) 19:13:10

ゼルダに会うためには、やはり鏡の欠片が必要らしい。

だが、陰りの鏡はライトにも扱えないらしく、扱えるのは影の女王・・・ミドナだけだと。

「白き魔女について何か知っているか?」
「いや・・・知らない」

リンクが首を振ると、ライトを馬鹿にしたような目で見る。

「お前、もう少し勉強しろ。国立図書館あたり言って勉強しろ」
「な・・・・何だよ!!俺を真っ向からバカにすんなよな!!」

憤るリンクをフン、と鼻で軽くあしらう。


「20年前・・・ここ、ハイラルを旅し、各地に様々な予言を残して姿を消した二人の魔女が居た。
二人は雪の夜、月の夜、嵐の夜、昼夜を問わずして灯火を紡ぐような巡礼の旅は人知れず続いた。
彼女達は街から街へと旅を続け、通り過ぎた街に様々な言葉を残した。

彼女たちは人々に明日への警鐘を説いた。
進むべき道。

心がけるべき幾つかの事柄。

災いの波がさざ波のうちに、危惧が脅威へと変わる前に・・・。

それが自分の使命であるかのように彼女達は旅を続けた。
娘達は未来を知る力を持っていた。
彼女達は生まれついての魔女だった。


いい予言が当たれば人々は彼女達を賛美し、悪い予言が当たれば魔女の呪いと罵った。



白き魔女と白銀の賢者。
いつ頃からか人々は彼女らの事をそう呼んだ。


それは今から20年ほど前・・・。

まだ世界には余り魔法が知られていない時代。
未だ魔女が畏怖と恐怖だった時代の事である」


ライトは20年前、何かあったのか、と言いだし、リンクが「何も知らない」と返すと突然ライトが小馬鹿にして来たのだ。
静かに話を聞いているミドナも、いきなり馬鹿にされたら勿論怒る。

と言うか、ブチ切れる。


「・・・やがて、二人の魔女は姿を消した。
今では消息を知る者もなく、只の言い伝えの一つとして語られるに過ぎない。


20年前、白き魔女と白銀の賢者と呼ばれる娘達がハイラルを旅した。

様々な予言を残して、二人は姿を消した。

白銀の賢者と呼ばれる娘は人々の愚かさに絶望し、人々が二度と悲劇気を起こさぬように、退魔の剣マスターソードと神剣エリュシオン、聖剣エスペランサ―と呼ばれる魔女たちの宝を精霊たちに託し、何処かへと姿を消した。

勇者が悪夢を切り裂くその時まで。

勇者と英雄が現れるその時まで。

勇者と英雄が手を取り合い『魔を打ち破り、本当の平和が訪れる』その時まで」

「この俺が・・・悪夢を切り裂く?」

ライトは黙って頷く。

「その悪夢って?」
「・・・・知らん」
「知らんって・・・。じゃあ、せめて魔女の宝ってのについて教えてくれよ」

ライトは振り返り、リンクの背にある剣を指し示すと、

「魔女の宝の一つ、マスターソード。それは時の精霊が守護していた物だ。
何故、神殿の番人が持っている?」


知らない、とリンクとミドナは揃って首を振る。

「お前ら・・・筋金入りの馬鹿だな。
・・・少しは勉強しろ」
『・・・黙って聞いてりゃ図に乗りやがって・・・!』


ミドナの髪が大鎌のような形状となって振り回される。
だが、難なく避けると、

「もう二つの宝はもう一つの世界に隠されている。
神剣エリュシオンと聖剣エスペランサ―。
詳しく知りたければそこのナンパ男に聞け」
『「ナンパ男?」』

見事に二人揃ってはもったミドナとリンク。

ライトが手を突き出すと雪山の一部が崩れ、そこに隠れていたらしい金髪の青年が姿を現した。


どうでもいいあとがきその2


文章、超意味不明・・・(汗
ニボシさん、トルシナス君ようやく出てきました。
遅れてしまい、誠に申し訳ありません。
ライトはTHE・毒舌なので他人に暴言ばかり吐きます(勝手にすいません・・・。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2015/11/01 (Sun) 01:00:43

ライトの魔力によって剥き出しとなった雪山の山肌に、リンクよりやや明るい金の髪の青年が現れる。
青年は視界にライトを捉えるなり、


「会いたっかたよぉぉぉぉぉおおおぉぉぉ!!
ライトちゃあああぁぁぁあぁぁあああぁぁ――――――うぼっ!!」


飛びつい――――――――叩き落とされた。
芸人顔負けの顔面ダイブ(雪に顔突っ込んだ)をかまし、どうみても「女たらしです」と顔に書いてある青年は起き上がると再びライトに、


「うっざ!!」
「ぐほっ!!」


飛び付こうとして、再び蹴り落された。






ライトは青年の扱いに慣れてるのか、青年が痛い痛いと喚いても、気に掛ける素振り一つ見せない。

「・・・・・・酷いよ、ライトちゃん・・・」
「――――――あん?」
「・・・いえ、なんでもないですごめんなさいすいません」


ライトのガン飛ばし&ドスの利いた声で睨まれた青年は明らかにプルプルと震えている。








皆さま、お久しぶりです。
行き成り言い訳になるかもしれませんが、こうして更新できなかったのは、PCが壊れたりしたからなんです(立派な言い訳
修理だなんだと手間取ることしていたら、こうして何カ月もたっていました。

次からはちゃんと来れるようにしたいです(ホントに


では短いですが(逃げるな


もう遅いので、ここらで失礼します。

Re: THE LEGEND OF ZELDA Chains Of Dawn  - 雪華

2016/01/28 (Thu) 17:50:57

皆さま、お久しぶりです。
行き成り言い訳になるかもしれませんが、こうして更新できなかったのは、PCが壊れたりしたからなんです(立派な言い訳
修理だなんだと手間取ることしていたら、こうして何カ月もたっていました。

次からはちゃんと来れるようにしたいです(ホントに


では短いですが(逃げるな



お見苦しい姿を見せてしまい、本当に申し訳ありません。



↑の記事は雪華が誤ってPASSを入れ忘れて様なので、後日書き直します。

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